【行政書士試験】2021年度 試験問題の振り返り(第42問)

年の瀬も迫ってきましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。毎年、行政書士試験の問題を検討しているところ、今年は何かとバタバタしておりまだ試験問題すら見ておりませんでした。

合格発表が近くなっているこの時期です。受験生の皆様はワクワクドキドキの時期も過ぎて落ち着いているかと思います。では、令和3年度行政書士試験を見てみたいと思います。今回から選択問題を検討します。

 

 

| 選択式 第42問(行政法)

 

記述式の問題は長文ですので問題を掲載しません。行政書士試験の問題は、一般財団法人行政書士試験研究センターのサイトにありますので、気になる方は各自ダウンロードしてください。PDFファイルで約570KB程度のサイズです。

会話形式の問題です。教授と(優秀な)学生が会話をしています。時勢にあった感染症法の改正に関する中で、行政法上の講学上の分類について問うています。懐かしいですね。最近は講学上の分類を正面から問う問題はなかったのではないでしょうか。私が受験生の頃には具体例を一生懸命勉強したものです。

そんな話は置いておいて、問題を読んでみましょう。

空欄アでは、感染症法で感染者を強制的に入院させる措置が講学上の何に当たるのかを問うています。強制的に入院させるわけですから、入る語句は少なくなります。可能性があるのは、“直接強制”か“即時強制”ですね。ただ、会話の中で学生Bが直接強制にあたるとする説もあると言っていますので、空欄アには“即時強制”が入るのでしょうか。

問題の選択肢を見てみますと、空欄アに入る可能性のある語句は、“即時強制”、“行政代執行”、“間接強制”の3つですね。“仮処分”や“民事執行”も入る可能性があると考える受験生もいるかと思います。

強制的に入院をさせるわけですから、“行政代執行”や“間接強制”は入りません。内容をよく知らなくても、“行政”が“代”わりに“執行”したり、“間接”的に“強制”したりするというのは入らないことが分かると思います。実際に入院させるわけですから“仮処分”も入りませんし、行政が行政法に基づいて強制力を行使するのですから“民事執行”も入りません。

問題文を読んでいくと、教授が改正のポイントの説明を学生に求めています。当初の政府案では、懲役や100万円以下の空欄イが科せられることになっていたと話しています。

さらに続きを読んでいくと空欄ウがあったあとに、刑法総則や刑事訴訟法が適用されると言っていますし、制裁としては重過ぎるとの批判があることも話しています。

刑法総則や刑事訴訟法の適用を考えると刑事罰が入ることになります。また制裁としては重過ぎるということで“罰金”や“科料”が入るのではないでしょうか。科料の上限額は9999円ですので、100万円ということは“罰金”になるかと思います。刑法や刑事訴訟法の知識が少しあるとかなり簡単に埋めることができます。

問題の選択肢を見てみましょう。空欄イに入る可能性がある語句は、“罰金”、“過料”、“科料”、“死刑”、“拘留”、“禁固”の6つでしょうか。

100万円とあるわけですから、“死刑”、“拘留”、“禁固”は入りません。残りは“罰金、”、“過料”、“科料”ですが、過料は行政罰ですので刑法総則の適用はありませんし刑事訴訟法の適用もありません。また、先ほども書きましたが“科料”は1万円未満ですので、100万円を“科料”で科すことはできません。

よって、空欄イには“罰金”が入ります。

空欄ウは罰金が講学上の何にあたるかを問うています。ですので、空欄ウに入る可能性のある語句は、“即時強制”、“行政代執行”、“間接強制”、“行政刑罰”、“執行罰“の5つです。とはいうものの、罰の種類ですから”行政刑罰“か”執行罰“のどちらかが入ります。

“執行罰”は、一定の期間内に義務を履行しない場合に過料を課す旨を予告して心理的圧迫を加えて義務の履行を促すものです。本問では、感染症患者を強制的に入院させることについての罰ですから一定の期間を待っていられません。ですから、“執行罰”は入らないと思われます。

“行政刑罰”は行政上の重大な義務違反に対する刑罰です。罰金刑が講学上の何にあたるかを問うていますから、空欄ウは“行政刑罰”が入ります。

次に行きます。最後は空欄エですね。

当初の政府案が修正されて、懲役や罰金から空欄エになったと言っています。空欄エは講学上の秩序罰にあたると言っています。

ここから考えると、空欄エには罰金よりも軽く、さらに秩序罰にあたる語句を入れることになります。

選択肢を見てみましょう。空欄エに入る可能性のある語句は、“罰金”、“過料”、“科料”、“死刑”、“拘留”、“禁固”の6つでしょう。候補になる語句は空欄イと同じですね。

この中で、罰金よりも軽く秩序罰にあたる語句を選ぶと“過料”しかありません。

よって、空欄エには“過料”が入ります。

ちなみに、“秩序罰”は、行政上の軽微な義務違反に対して課せられる罰で“過料”のことです。

この問題は比較的解きやすかったのではないでしょうか。

 

空欄ア:6 即時強制

空欄イ:1 罰金

空欄ウ:12 行政刑罰

空欄エ:2 秩序罰

 

 

| まとめ

 

1 久しぶりの講学上の分類の問題!?

2 刑法や刑事訴訟法の知識があるとより簡単!?

3 過料と科料の違いは明確に!



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