【相続】遺産分割ができない!? ~本編 その4~

親御さんが亡くなられた場合など自分が法定相続人になることがあります。お年を召した方の場合にはご兄弟が亡くなったときにも法定相続人になることがあります。

相続手続きで頭を悩ます1つが不動産の登記でしょうか。他には、他の法定相続人と連絡が取れないという場合です。

今回は遺産分割協議書に関係する他の法定相続人について書きたいと思います。

 

 

| 法定相続人に連絡が取れない!? その2

 

前回の記事で、法定相続人が多い場合にやっておきたいことを書きました。まずは法定相続人に手紙を送る、次に法定相続人を調査するの2つです。

今回は続きを書きたいと思います。

1 手紙を送る

2 法定相続人の調査

3 相続意思の確認

法定相続人が分かりましたら、各人に相続する意思があるかどうかを確認してください。相続する金額にもよりますが、甥や姪は相続しない場合が多いです。たとえば、遺産が500万円あったとしても、相続人が12人もいる場合には、甥や姪の相続分は20万円程度になる可能性があります。それくらいの金額なら、亡くなるまで世話をしてきた法定相続人に相続してほしいと考える方が多いと感じています。

4 所在不明の相続人への対策

親族に手紙を出しても受け取らなかったり宛所不明だったりして返送されてきた場合には、連絡の取れる親族に状況を聞いてみてください。もしかすると連絡先を知っているかもしれません。連絡先が分かった場合には、手紙を出したり電話をしたりして、亡くなられたことや法定相続人になっていることを伝えましょう。

誰も連絡先が分からない場合には、不在者財産管理人の選任を家庭裁判所へ申請します。

5 不在者財産管理人の選任手続

行方不明の法定相続人がいる場合、遺産分割協議書を作成するために不在者財産管理人の選任手続を始めます。不在者財産管理人の選任手続は次の書類を揃えて不在者の住所を管轄する家庭裁判所に申請します。

(1)不在者財産管理人選任申立書

(2)不在者の戸籍謄本

(3)不在者の戸籍附票

(4)財産管理人候補者の住民票

(5)不在の事実を証明する資料(宛所不明で返送された手紙など)

(6)不在者の財産に関する資料(不動産の登記簿謄本、通帳のコピーなど)

(7)申立人の利害関係を称する資料(戸籍謄本、金銭消費貸借契約書のコピーなど)

不在者財産管理人は、不在者自身や利害関係人の利益を保護するために家庭裁判所が選任する財産管理人です。不在者の財産を管理したり保存したりします。

ただし、これだけでは遺産分割協議をすることはできません。遺産分割協議をして遺産分割協議書を作成するためには、権限外行為許可を家庭裁判所からもらう必要があります。

不在者財産管理人は一定の報酬を家庭裁判所に請求することができ、家庭裁判所は不在者の財産から不在者財産管理人の報酬を支払います。

6 遺産分割協議書の作成

不在者財産管理人が選任されて、権限外行為許可を取得すれば、いよいよ遺産分割協議書の作成です。

遺産分割協議書には不在者の代わりに権限外行為許可を持つ不在者財産管理人が押印します。

これで、遺産分割協議は晴れて終了です。お疲れさまでした。

 

 

| まとめ

 

1 事前に相続意思の確認をするのがおすすめ!

2 行方不明者がいた場合は不在者財産管理人の選任を!

3 遺産分割には不在者財産管理人に権限外行為許可が必要!



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