親御さんが亡くなられた場合など自分が法定相続人になることがあります。お年を召した方の場合にはご兄弟が亡くなったときにも法定相続人になることがあります。
相続手続きで頭を悩ます1つが不動産の登記でしょうか。他には、他の法定相続人と連絡が取れないという場合です。
今回は遺産分割協議書に関係する不動産の登記と他の法定相続人について書きたいと思います。
| 不動産の相続登記の手続き
1 前提条件
不動産の登記は司法書士が専門家です。悩んだら司法書士に相談してください。
相続登記では省略をすることはできません。たとえば、曾祖父名義の土地を自分名義に変えたい場合、いきなり自分名義には変えられません。名義は、曾祖父から祖父母(のどちらか)、そこから両親(のどちらか)、そのあとに自分です。
法務省はサイトで次のように言っています。
“登記は登記名義人の方について行わなければなりませんので,例えば,亡くなられた方の御両親が登記名義人になっている場合は,まずその御両親からの相続登記を行う必要があります。
このように何世代も相続登記をしていない場合(数次相続の場合)は,相続人も増え,多くの書類が必要となりますので,申請書様式を確認しても,なお,手続が不明なときは,管轄の法務局(各法務局のホームページが開きます)に相談ください。
また,司法書士(日本司法書士会連合会のページが開きます)に申請を依頼することができます。“
2 所有者の確認
まずは、不動産の登記事項証明書(不動産登記簿謄本)を取得して不動産が誰の名義になっているのかを確認します。ご両親やご先祖になっている場合はとりあえず安心です。
3 戸籍謄本の取得
次に、不動産登記簿謄本の名義の方の戸籍謄本を取得します。その方から順に自分に至るまでの戸籍謄本を取得します。たとえば、父方の曾祖父の名義になっている場合、曾祖父の戸籍謄本、祖父の戸籍謄本、父の戸籍謄本、自分の戸籍謄本の4つです。
4 相続のされ方を調査
曾祖父の残した遺産の相続がどのようになっているのかを調査します。不動産の全ての権利の相続が曾祖父、祖父、父、自分となっているのであれば問題ありません。しかし、たとえば祖父の遺産相続の段階(父の代が相続人)で、遺言もなければ遺産相続もしていない場合には、不動産の相続登記をするために父の代の相続人全員での遺産分割をした方がよいと思います。遺産分割をせずに共有名義での登記も可能ですが、父の兄弟が亡くなられているときは共有名義での登記は人数が多くなって面倒です。父の代での遺産分割をする場合でも、父の兄弟がすでに亡くなっている場合には相続人の人数が多くなって面倒ではあるのですが…。
5 不動産登記
必要な書類を集めて相続を原因とする不動産登記をします。時間や手間を考えてご自身で行うのが難しいと思う場合には司法書士にご相談ください。登記申請書は、公正証書遺言、自筆証書遺言、遺産分割協議書、数次相続、法定相続分での登記などで変わってくるようです。
不動産の相続登記については終了です。次回は法定相続人に連絡が取れない場合について書きたいと思います。
| まとめ
1 不動産の相続登記は省略ができない!?
2 数次相続になっている場合はややこしい!
3 遺言と遺産分割協議書で登記申請書が異なる!