宅建士試験のための改正民法 その8 保証契約(1)

2020年4月1日に民法が大きく改正されました。宅建士(宅地建物取引士)試験を受験しようと思っている方は、元々勉強がしづらい民法が改正されて不安に思われているのではないでしょうか。

今回から民法の改正されたところのうち、宅建士試験でよく問われるだろうと思われるところを、アシュラの独断と偏見で書きたいと思います。

 

 

| 民法の主な改正点

 

改正されたところは主に契約関係です。契約関係に限れば、主な改正箇所は次の9つです。

1 消滅時効

2 解除

3 危険負担

4 契約不適合責任

5 賃貸借契約

6 法定利率

7 保証

8 債権譲渡

9 約款

これらのうちで宅建士試験でよく出題されそうなところは、消滅時効、解除、危険負担、契約不適合責任、賃貸借契約、保証でしょうか。特に契約不適合責任は怖いですね。今回は、保証です。保証契約も2回に分けたいと思います。

 

 

| 保証契約の改正ポイント

 

保証は、債務者が債務の支払いをしない場合に、債務者に代わって支払いをする義務を負うことです。保証人には単なる保証人と連帯保証人があります。単なる保証人と連帯保証人の違いは、単なる保証人には“催告の抗弁権”、“検索の抗弁権”、“分別の利益”があります。

催告の抗弁権は、債務者に債務を履行する能力がある場合には、まず債務者に請求するように主張する権利です。

検索の抗弁権は、保証人が債務者に弁済可能な資産がある場合には保証債務の履行を拒否する権利です。

分別の利益は、保証人の数に応じて負担額が減少する利益です。

保証契約の改正ポイントは4つあります。

(1)個人の根保証契約の制限

(2)事業用融資での公正証書作成

(3)保証人に対する情報提供義務

(4)連帯保証人への請求の主債務者への影響

 

 

| 個人の根保証契約の制限

 

個人の根保証契約は保証人にとって過酷な結果を招くことがありました。そこで、個人の根保証契約には制限が付けられることになりました。

主債務が貸金等債務以外の場合には、極度額の定めが必要になったり元本確定期日が定められたりしています。極度額の定めは、主債務が貸金等債務の場合には以前から必要でした。元本確定期日になるのは、保証人の財産に対する強制執行、主債務者の死亡、保証人の破産・死亡です。貸金等債務の場合には、主債務者の財産に対する強制執行、主債務者の破産があった時にも元本が確定します。

貸金等債務以外というのは、賃貸借契約や継続的な売買取引契約などのことです。

 

 

| 事業用融資での公正証書作成

 

保証人が個人の場合、事業用融資の保証をするときには公正証書を作成することになりました。保証人が個人であること、事業性があること、貸金等債務であることが条件です。公正証書の作成期間は契約締結日前の1か月以内です。

ただし、次のような場合には公正証書の作成の必要はありません。

(1)主債務者が法人、保証人が理事、取締役、執行役など

(2)主債務者が法人、保証人が議決権の過半数を有する株主

(3)主債務者が個人、保証人が共同事業者、従事している配偶者

 

 

長くなりましたので、残りの2つは次回に書きたいと思います。

 

 

| まとめ

 

1 保証人には3つの権利・利益がある!

2 個人の根保証の保護が厚く!

3 事業用融資の個人補償の保護も厚く!



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