(株)東京カンティの調査によりますと、近畿圏の中古一戸建住宅の価格が上昇しているそうです。特に大阪府は3カ月ぶりに上昇に転じています。どのような状況なのかを見てみましょう。
| 主要都市圏で上昇傾向
調査では、首都圏、近畿圏、中部圏、福岡県の4地域が対象になっています。土地面積100㎡以上300㎡以下の小規模住宅が対象です。
首都圏、愛知県、福岡県は2021年2月から上昇傾向にありましたが、近畿圏は2021年2月も価格が下がり続けていました。京阪神では京都府だけが2021年2月から上昇傾向でした。
大阪府は、前年同月比で約5%の上昇、前月比で約8%の上昇になっています。平均土地面積や平均建物面積は横ばいですが、平均築年数が3年近く短くなっています。築浅物件が増えて価格が上昇したのかもしれません。
兵庫県は残念ながら2021年3月も相変わらず下落傾向です。ただ、下落の幅は小さくなっているようです。
| 大阪府の状況は?
大阪府でも門真市や寝屋川市など大阪市の周辺地域ではそれほど価格が上がっている実感はありません。そこで、大阪市と堺市の様子を見てみます。
大阪市では、前年同月比約7%の上昇、前月比約31%の上昇になっています。前月比30%超の上昇はすごいですね。平均土地面積や平均建物面積は減少していますし、築年数もそれほど大きな違いはありませんので、単純に価格が上がったと言えます。
以前にもお伝えしましたが、心斎橋など大阪ミナミは土地の価値が下がっている反面で梅田など大阪キタでは維持ないし上昇がみられていました。大阪市と言っても地域によって差がありそうな感じがします。
堺市は、2021年2月に上昇していましたが3月は下落しています。前年同月比で約2%の下落、前月比で約8%の下落です。平均土地面積や平均建物面積は増えていますし、平均築年数も5~10年ほど短くなっていますので、価格が下がっているのは価値の低下と考えてよさそうです。
不動産ポータルサイトHOME’Sの調査では、大阪府では中古一戸建て価格の相場は上昇傾向です。直近3年間で4~5%上昇しているようです。堺市でも似たような状況です。
| 京阪地区はどうなの?
京阪地区は実感としては上昇しているようには思えません。ただ、守口市は少し上昇しているように思います。
守口市、門真市、寝屋川市の3市についてHOME’Sの調査を見てみましょう。
1 守口市
上昇傾向にありますが、この3年程度は横ばいです。3年間での上昇率や1.7%だそうです。大阪府の上昇具合から見ると上昇していないように見えますね。価格は面積や築年数にもよりますがおおよそ3000万円程度です。
2 門真市
門真市も守口市と同じような傾向です。上昇傾向にありますが、この2~3年は横ばいです。ただ、3年間での上昇率は約3%になっており、大阪府(約4.6%)に近い上昇率になっています。価格は面積や築年数にもよりますがおおよそ2500万円程度です。
3 寝屋川市
寝屋川市は門真市や守口市とは少し違った推移をしています。2017年頃までは上昇傾向、2018年は横ばい、2019年は下落傾向、2020年から上昇傾向になっています。直近3年間での上昇率は約3.7%で、大阪府に迫る上昇率です。価格は面積や築年数にもよりますがおおよそ2800万円程度です
| まとめ
1 大阪府は全体的に上昇傾向!
2 京阪地区は横ばい~上昇傾向!
3 京阪地区ではおおよそ2500~3000万円程度!