家族から逃げたい方への支援 支援措置申出書編

家族からの暴力やストーカー行為、児童虐待などが原因で家族から逃げたいと思われている方はたくさんいらっしゃいます。警察の資料では、家族からの暴力の相談は年間約80,000件、ストーカー行為の相談は年間約20,000件にも上っています。

このような被害から逃れるためには引越しをするだけでは足りません。警察への相談はもちろん、行政が力を貸してくれることがあります。

今回は、行政の支援措置について書きたいと思います。

 

 

| 住民票の交付制限など

 

家族から逃げるために引越しをしたとしても住所を突き止められて更なる被害に遭うことがあります。住所は住民票の写しの交付を受けることで引越し先がすぐにわかってしまいます。家族は簡単に住民票を取得できます。

住民票の交付ができないようにするために、行政へ申し立てをすることができます。“住民基本台帳事務における支援措置申出書(支援措置申出書)”を提出するだけです。市区町村によって独自形式の可能性がありますが、一般的には次のような書式です。

支援措置申出書(おもて)支援措置申出書(うら)

あわせて、“登録情報の証明書の交付事務及び提供事務の取り扱い実施請求書”や“検査情報の証明書等の交付事務及び情報の提供事務の取り扱い実施請求書”を提出することがあります。

さらに、被害を受けていることの証明書類として、“保護命令決定書”の写しや“ストーカー規制法に基づく警告等実施書面”を求められることがあります。ただ、運用上、これら2つの書類は、警察や相談所などに保護されたことを証明する書面があれば代替できるとされています。市役所に相談をするとどのような書類が必要かを具体的に教えてくれます。

 

 

| 支援措置申出書の書き方

 

支援措置申出書には多くのことを記入する必要があります。

1 申出者の氏名、住所、連絡先(携帯電話でもOK)

2 加害者の氏名、住所

3 DV、ストーカー、児童虐待、その他を選択

4 相談したことがある場合の相談先(例:〇〇警察署など)

5 交付制限をする書類

(1)住民基本台帳の閲覧(閲覧自体をできないようにする)

(2)住民票の写し等の交付(現住所地)

(3)住民票の写し等の交付(前住所地)

(4)戸籍の附票の写しの交付(本籍地)

(5)戸籍の附票の写しの交付(前本籍地)

6 (必要な場合のみ)前住所、本籍、前本籍

7 併せて支援を求める者の氏名、生年月日(子など)

戸籍の附票の交付制限があるのは、戸籍の附票にも住所の移転の履歴が残るからです。必ず一緒に交付制限の申請をしてください。

記入例として、富山県高岡市の記入例を挙げます。

支援措置申出書(記入例)富山県高岡市

支援措置の申出は毎年更新が必要です。その際には相談先の証明書類が必要になりますので、改めて警察や相談所に赴かなければいけません。相談先でもう一度被害状況を説明することで精神的苦痛を受けてつらい思いをされるかもしれません。ただ、被害を避けて平穏な日々を送るためにも、更新手続をされることをおすすめします。

 

 

| まとめ

 

1 支援措置申出書で住所がバレない!?

2 閲覧・交付制限は該当するすべてをチェック!

3 支援措置には更新がある!



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