宅建士試験の振り返り(2020年度12月)問5・6

2020年の宅地建物取引士試験は、新型コロナウイルス感染症への対応のため例年と異なる試験形態になってしまいました。都市圏では受験会場が確保できなかったため、10月の試験を受験できない受験生がいます。2020年は10月と12月の2回、試験が行われることになりました。

今回から2020年12月試験の問題を振り返ってみたいと思います。まずは民法から始めてまいります。

 

 

| 2020年12月試験 民法

 

まずは民法から振り返っていきます。受験をされなかった方はインターネット上で問題を探してみてください。

1 問5 正解肢2

時効に関する問題です。民法の規定と判例の内容を問うています。

肢1 「当事者」の意味

消滅時効の援用権者は、債務者、保証人、物上保証人、第三取得者、権利の消滅について正当な利益を有する者です。丸暗記する事項です。

肢2 裁判上の請求と時効の進行

裁判上の請求がなされると裁判が終了するまで時効は完成しません。確定判決などで権利が確定した場合には、裁判終了時から新たな時効が進行します。訴えの取下げなどで権利が確定しなかった場合には、裁判終了時から6か月間時効の完成が猶予されます。

肢3 権利の承認と時効の進行

権利の承認があった場合は、権利の承認時から新たな時効が進行します。権利の承認には行為能力は必要ありません。

肢4 夫婦間の債権の時効

夫婦間の債権は、離婚から6カ月間時効の完成が猶予されます。

2 問6 正解肢1

建物賃貸借の転貸に関する問題です。民法の規定と判例の内容を問うています。転貸借は原賃貸人、転貸人、転借人の三者の関係性をまとめて整理しておくと便利です。

肢1 原賃貸借契約の合意解除と転借人

原賃貸借契約が合意解除された場合、原賃貸借契約の終了を転借人に対抗できません。ただ、賃借人が賃貸人に対して債務不履行による解除権を有していた場合、形式上合意解除だったとしても債務不履行解除と同じように取り扱われます。債務不履行解除の場合には、原賃貸借契約の終了を転借人に対抗できます。

肢2 転借人の用法違反の責任

転借人であっても賃借人に変わりありませんから、用法に従って賃借物を使用収益する義務があります。賃借人の用法違反で賃貸物に損害が生じた場合、賃貸人は賃貸物の返還を受けたときから1年以内に損害賠償をする必要があります。

肢3 賃貸人の地位の移転

賃借人は居住用建物の引渡しを受けていますので対抗要件を備えています。賃借人が対抗要件を備えている賃貸物を譲渡した場合、譲受人は賃貸人としての地位を取得します。ただし、賃貸人の地位を留保する旨の合意があるときは除きます。

肢4 転借人の義務

適法な転貸が行われている場合、転借人は原賃貸借契約と転貸借契約の安い方の賃料を上限に原賃貸人に対して直接賃料を支払う責任を負います。たとえ転借人が転貸人に賃料の前払をしていたとしても原賃貸人からの賃料支払い請求を拒むことはできません。

 

 

| まとめ

 

1 消滅時効の援用権者は丸暗記!

2 時効の中断事由は要チェック!

3 転貸借の関係は1つにまとめると便利!



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