行政書士試験の振り返り 問題31・32

2020年も11月8日(日)に行政書士試験が行われました。合格発表は2021年1月27日(水)でした。

合格された方、おめでとうございます!登録をして行政書士としてがんばろう!と思われる方もいらっしゃると思います。よろしくお願いします。

惜しくも不合格の方、お疲れ様でした。2021年の試験も受験しようと思われる方は、どうぞこのブログの試験問題検討ページをご覧になってください。試験合格にお役に立てると嬉しいです。

さて、2020年の行政書士試験の問題を振り返ってみたいと思います。記述式が終わりましたので、択一式の問題を考えていきます。著作権に引っかかる問題は除外します。今回も引き続き民法です。

 

 

| 問題31 正解肢5

 

債務引受の問題です。債務引受には、債務者に債務が残る併存的債務引受と、債務者に債務が残らず債務引受者のみに債務がある免責的債務引受があります。それぞれ、どのような手続きが必要なのか、効果はどうなのかを問うています。表でまとめて覚えることをおすすめします。

肢1 併存的債務引受の契約者

併存的債務引受は、債権者と引受者の2者の契約によって成立します(民法470条2項)。併存的債務引受では債務者は債務者のままですから、債務者の意思に反することもありません。

肢2 併存的債務引受の承諾

併存的債務引受は、債権者と債務者の2者の契約によっても成立します(民法470条3項)。ただし、契約の効力が生じるのは引受者の承諾があったときです。

肢3 免責的債務引受の契約と通知

免責的債務引受は、債権者と引受者の2者の契約によって成立します(民法472条2項)。ただし、契約の効力が生じるのは債権者から債務者への通知があったときです。

肢4 免責的引受の契約者

免責的債務引受は、債権者と債務者の2者の契約によっても成立します(民法472条3項)。ただし、引受者の承諾が必要です。

肢5 免責的債務引受の求償権

免責的債務引受がなされた場合、引受者は債務者に求償権を取得することはありません(民法472条の3)。求償権を認めてしまうと、“免責的”債務引受を行った意味がなくなるからです。

 

 

| 問題32 正解肢5

 

同時履行の抗弁権に関する問題です。民法の規定と判例の内容を問うています。同時履行の抗弁権は重要な分野ですのでしっかりとした学習が必要です。基本的な論点はまとめて覚えてしまいましょう。

肢1 原状回復義務と同時履行の抗弁権(最判S47.9.7)

双務契約での原状回復義務の履行は同時履行にあるとされています。詐欺取消の場合の原状回復義務の履行も同様です。

肢2 造作買取請求権と家屋の明渡し(最判S29.7.22)

賃借人が造作買取請求権を行使した場合、賃貸人の造作代金支払い義務と賃借人の家屋の明渡義務は同時履行にないとされています。なお、建物買取請求権の場合には同時履行の抗弁権を主張できます。

肢3 敷金返還請求権と家屋の明渡し

賃貸借契約が終了して賃借人が建物を明け渡す場合、賃貸人の敷金返還義務と賃借人の建物明渡義務は同時履行にないとされています(民法622条の2第1項1号参照)。敷金は、家屋の明渡しの後に室内の修繕などをしてから返還されるものだからです。

肢4 仕事完成義務と報酬支払義務

請負契約の報酬は目的物の引渡しと同時に支払わなければいけません(民法633条)。仕事が完成した後に目的物を引き渡すことになりますので、仕事の完成が先で報酬の支払いは後になります。

肢5 売買契約の同時履行の抗弁権(最判S34.5.14)

買主は、売主から履行の提供が継続されていない限り、同時履行の抗弁権は失いません。たとえば、車を知人に売る場面を考えてみます。売主が買主の自宅へ車を持って行くと買主が留守だった場合、たとえ一度買主の自宅へ車を持って行っていたとしても、翌日に売主が車を持って行かずに買主の自宅を訪問したら、買主は同時履行の抗弁権を主張できます。当然と言えば当然ですね。

 

 

| まとめ

 

1 債務引受の要件と効果は表でまとめて覚える!

2 同時履行の抗弁権はしっかりとした学習が必要!

3 同時履行の抗弁権は主張できる場面をまとめて覚える!



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