2020年11月の新設住宅着工戸数が国土交通省から発表されました。持家の新築数は増えましたが、貸家と分譲住宅が大きく減っています。そのため、全体では前年同月比で減少になりました。
内容を見てみましょう。
| 新設住宅着工戸数の減少
新設住宅着工戸数は70,798戸で17カ月連続の減少になっています。前年同月比で△3.7%です。
持家は24,010戸で1.5%増です。16カ月ぶりの増加です。増えたと言っても1.5%ですので、このままの状態だと以前の水準に戻るにはしばらくかかるかもしれません。
貸家は26,451戸で△8.1%です。27カ月連続の減少です。今後、増加する見込みはなさそうですね。
分譲住宅は19,548戸で△6.1%です。13カ月連続の減少です。マンションは0.7%の増加で6カ月ぶりに増加になりました。ただ、0.7%ですから横ばいと言ってもいいかと思います。大きく減ったのは一戸建住宅で△10.5%です。12カ月連続の減少です。
コロナ禍がありますので、新築住宅の減少は今後も続きそうです。
| 地域別の推移
地域別で見てみましょう。全国的に減少していますが、近畿圏だけ増加しています。分譲住宅の増え方がすごいです。数字を見てみます。
首都圏は、前年同月比△5.3%で減少が続いています。持家は増加していますが、貸家と分譲住宅の減少が大きかったようです。
中部圏は、前年同月比△14.7%と大きく減少しています。持家も貸家も分譲住宅もすべてで減少しています。
近畿圏は、前年同月比7.9%の増加になっています。貸家が減少しているのは全国的な傾向と同じですが、持ち家は1.8%増、分譲住宅は36%増です。分譲住宅の中でもマンションは驚異の77%増になっています。
その他の地域では、前年同月比△3.1%です。貸家と分譲住宅が減少して、持ち家は増加しています。
近畿圏が全国的な傾向と違っていますので、近畿圏のマンションの推移を見てみましょう。
2019年11月 1,580戸(前年比△12.4%)
2019年12月 2.664戸(前年比45.7%)
2020年1月 1,648戸(前年比△42.2%)
2020年2月 2,808戸(前年比38.8%)
2020年3月 2,296戸(前年比△4.7%)
2020年4月 2,167戸(前年比△16.1%)
2020年5月 2,762戸(前年比116.3%)
2020年6月 1,612戸(前年比0.1%)
2020年7月 2,083戸(前年比25.7%)
2020年8月 1,740戸(前年比0.9%)
2020年9月 1,991戸(前年比△10.9%)
2020年10月 2,356戸(前年比△12.5%)
2020年11月 2,797戸(前年比77.0%)
増加したり減少したりと乱高下しています。特に2020年5月の116.3%増、2020年11月の77%増が抜きんでています。おおよそ月間2,000戸くらいが平均的な新築着工戸数のようです。
近畿圏の中でも京都府、大阪府、兵庫県が大きく増えています。京都府は前年同月比159.3%、大阪府は前年同月比31.9%、兵庫県は前年同月比78%です。特に兵庫県は2020年10月も174%になっていますので、全体的に増加傾向になっているようです。
実感としても大阪府内では新築マンションが建設されていて売れているようです。中古マンションも好調なように感じます。新築一戸建住宅が売れるようになるのはいつ頃になるのでしょうか。
| まとめ
1 新設住宅着工戸数は全国的に減少!
2 近畿圏だけは増加!
3 近畿圏の新築マンションは大幅増!