宅建士試験の振り返り(2020年度10月)問15・16

2020年の宅地建物取引士試験は、新型コロナウイルス感染症への対応のため例年と異なる試験形態になってしまいました。都市圏では受験会場が確保できなかったため、10月の試験を受験できない受験生がいます。2020年は10月と12月の2回、試験が行われることになりました。

前回から引き続き2020年10月試験の問題を振り返ってみたいと思います。今回は都市計画法になります。

 

 

| 2020年10月試験 都市計画法

 

1 問15 正解肢4

都市計画法の地区計画などに関する問題です。

肢1 地区計画と都市計画

地区計画で都市計画に定めることが義務であるものと努力義務であるものとがあります。義務であるのは、地区計画の肝になるもの、つまり地区計画の種類・名称・位置・区域、地区施設、地区整備計画です。努力義務であるのは、面積、目標、整備・開発・保全に関する方針です。ですから、地区施設と地区整備計画は都市計画で定めることが義務になっています。

肢2 都市計画事業での施行者の許可

都市計画事業の認可の告示があった後ですので都市計画は事業段階です。事業段階では、都市計画事業地内の土地建物などを有償で譲り渡そうとする場合には、事前に施行者に届出をしなければいけません。届出があると施行者は30日以内に買取をするかどうかを通知します。許可が必要な場合は、建築物や工作物の建築・建設、土地形質の変更の場合です。この場合に許可をするのは知事などです。

肢3 用途地域

第二種住居地域の定義の問題です。全ての用途地域を完璧に覚えている必要はないものの、ある程度は覚えておかなければ解けません。中高層住宅に係る住居地域は第一種中高層住居専用地域か第二種中高層住居専用地域の2つだけです。肢3の説明内容は第一種中高層住居専用地域です。第二種には“主として”との文言が付いています。

肢4 市街化調整区域の地区計画

この肢は難しいです。細かいですね。市街化の状況等を勘案して、計画的な市街化を図るうえで支障がないように定めることとされています。

2 問16 正解肢2

都市計画法の開発許可に関する問題です。

肢1 公共施設管理者との協議

開発行為に関係がある公共施設の場合には、管理者との協議と同意が必要です。他方で、開発行為で設置される公共施設の場合には、将来の管理者との協議は必要ですが同意は不要です。どちらにしても協議をする必要はあります。

肢2 都市計画事業での新築と都道府県知事の許可

開発区域内外での制限はよく出題されますので重要事項です。建設会社などでは実務でも必要になる場合があります。開発区域内の場合には開発許可の審査で工事完了前や後の制限が課せられています。開発区域外では、市街化調整区域だけで制限が課せられます。開発区域外で開発許可の審査を受けていない建築は原則として知事の許可が必要です。ただし例外もあります。例外は6つ。(1)公益上に必要な一定の建築物の新築、(2)都市計画事業の施工として行う建築物の新築など、(3)非常災害のため必要な応急措置として行う建築物の新築など、(4)通常の管理行為、軽易な行為、(4)農林漁業関連の建築物の新築、(5)仮設建築物の新築、です。

肢3 公共施設の管理者

新しくできた公共施設は、公告日の翌日から原則として公共施設のある市町村が管理者になります。例外もあります。例外は(1)他の法律に基づく管理者、(2)協議による管理者です。

肢4 開発区域内の新所有者の地位

土地を相続などによって取得した場合には当然に開発許可に基づく地位を承継します。他方で、土地の所有権を売買などによって取得した場合には知事の承認を受けなければ地位を承継できません。

 

 

| まとめ

 

1 都市計画事業で許可をするのは知事!

2 用途地域は大まかに覚えることが必要!

3 開発区域内外の制限は頻出分野!



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