宅建士試験の振り返り(2020年度10月)問13・14

2020年の宅地建物取引士試験は、新型コロナウイルス感染症への対応のため例年と異なる試験形態になってしまいました。都市圏では受験会場が確保できなかったため、10月の試験を受験できない受験生がいます。2020年は10月と12月の2回、試験が行われることになりました。

前回から引き続き2020年10月試験の問題を振り返ってみたいと思います。今回は区分所有法と不動産登記法になります。

 

 

| 2020年10月試験 区分所有法・不動産登記法

 

1 問13 正解肢4

共用部分と規約に関する問題です。規約の決議内容は試験によく出題されるのでしっかりと覚えておきましょう。

肢1 共用部分の変更決議と規約

共用部分の変更は原則として特別決議が必要です。特別決議は区分所有者数の3/4以上かつ議決権の3/4以上による議決です。ところが規約で定数を変更することができます。規約では定数を過半数にまで減らすことができます。1/2以上ではありません。ちなみに、共用部分の軽微な変更の場合には普通決議でOKです。規約での変更も可能です。

肢2 共用部分の管理費用

共用部分の管理に関する費用や利益は、原則として持分に応じて分担されます。頭数での分担ではありません。

肢3 共用部分の保存行為

共用部分の保存行為は、原則として各所有者が単独でできます。ただし規約で集会の決議が必要とするなどの変更が可能です。

肢4 一部共用部分の共有形態

一部共用部分は一部の区分所有者しか使わないような部分です。たとえば、1階に店舗、2階以上が住宅の場合、店舗の入り口は店舗の共用部分、住宅部分の入り口は住人の共用部分です。このような一部共用部分は原則として一部供用区分所有者の共有です。ただし、規約で区分所有者全員の共有にすることもできます。

2 問14 正解肢1

不動産登記の全般に関する問題です。

肢1 敷地権の登記名義人の承諾

表題部の保存登記は表題部所有者から所有権を取得した者もすることができます。区分建物以外の場合では、表題部所有者とその相続人などの一般承継人、確定判決で所有者だと確認された者、収用によって所有権を取得した者です。建物に敷地権が付いている場合には、建物の新所有者は建物と併せて敷地権の譲渡を受けるわけですから、敷地権の登記名義人の承諾が必要です。

肢2 仮登記に基づく本登記

仮登記は順位の保存ですから、仮登記をした後に第三者が本登記をしたとしても、仮登記を本登記にすると第三者の本登記を排して真の所有者になることができます。このような場合には登記上の利害関係を有する第三者の承諾を得る必要があります。ちなみに、所有権以外の場合には、仮登記から本登記にする場合でも第三者の承諾は必要ありません。

肢3 登記の債権者代位権と登記識別情報

登記移転請求権は債権者代位をすることができます。もちろん債権者代位の要件を満たしていることが前提です。このときに登記識別情報は通知されません。たとえ債権者代位以外の場合であっても申請者と所有者が異なる場合には登記識別情報は通知されません。

肢4 配偶者居住権の登記

配偶者居住権は登記ができます。というよりも、配偶者居住権を第三者に対抗するためには登記が必要です。

 

 

| まとめ

 

1 規約の決議内容は宅建士試験に必須!

2 敷地権付き建物の譲渡には敷地所有者の承諾が必要!

3 仮登記から本登記にするときの第三者の承諾は所有権の場合だけ!



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