高齢者の一人暮らしが増えるにつれ、特に人口密集地で自宅内での自然死が多くなってきているように思います。以前は病院で亡くなられるかご自宅で家族に見守られながら亡くなられる方が多かったように思います。
ご自宅を相続された息子さんや娘さんは、今後住む予定のない実家を売却したしたいと考えられると思います。ところが、自宅内で亡くなった方がいる場合には往々にして“事故物件”として処分されるのではないでしょうか。
今回は事故物件について書きたいと思います。
| 事故物件ってなに?
事故物件に対するイメージはどういったものでしょうか?殺人事件があったり自殺があったり火事があったりといった物件をイメージされるのではないでしょうか。
実際に殺人事件、自殺、火事があれば事故物件として扱われます。事故物件は物件に心理的瑕疵がある物件をいいます。
心理的瑕疵は住むことに心理的な不快がある物件です。何を不快だと思うのかは人によって千差万別です。そうは言っても一般の方を基本にしてある程度の線引きができます。
具体的には、殺人事件や自殺があった物件、火事や洪水で人が亡くなった物件、死亡事故があった物件です。これらは一般的に心理的に不快に思いますから事故物件として取り扱われます。
線引きが難しいものとしては次のようなものがあります。
1 周辺にごみ屋敷がある物件
2 周辺で騒音トラブルがある物件
3 家族に見守られながら自然死した物件
4 転倒などの室内での事故で不幸にも人が亡くなった物件
このような物件も一般的には事故物件として扱われることが多いです。死亡事故・事件があれば事故物件とされる風潮です。
不動産業者は、家族に見守られながら自然死した場合には事故物件として扱わないことがあります。購入希望者さんには説明をしますが、事故物件としてくくらないのです。
| 事故物件の特徴
事故物件は売却できないと思っておられる方もいらっしゃいますが、実際には事故物件でも売却ができます。ただし、事故物件は相場よりも安い価格で販売されます。自然死の場合でおおよそ1~2割くらい、殺人事件や自殺では3~5割くらい値引きがされることが多いです。
事故物件を少しでも高く売るには、買取業者に売却するよりも不動産業者に仲介をしてもらうことです。事故物件に限りませんが、買取は一般的に相場の5~7割くらいになることが多いです。買取業者は転売で利益を得なければいけませんから、仲介よりも低額になるのは当然です。
事故物件を早く売るには、先ほどとは反対で買取業者に買い取ってもらう方が早く売ることができます。仲介の場合には、事故物件だと知った上で購入を希望される方を探さなければいけませんが、買取業者は事故物件でも購入してくれる業者が多いと思います。
| 事故物件での告知義務
事故物件を売却する場合、売主さんには告知義務があります。購入希望者さんに人が亡くなったことなどを説明しなければいけません。
告知する内容は事故の詳細ですが、実際には事故があった時期・場所・発見までの経緯を伝えます。
たとえば、5年前にこの6畳間で家族に見守られながら老衰で亡くなったといった具合です。それほど詳しい事情を説明する必要はありませんが、最低限の情報は伝えなければいけません。
| まとめ
1 事故物件は人が亡くなった物件!
2 事故物件でも売却できる!
3 事故物件は内容によって半額以下になることも!