行政書士試験の憲法(憲法の歴史2)

前回から憲法の歴史について書き始めました。フランス人権宣言であったり資本主義の台頭であったり、主に西洋の歴史について書いています。

今回は憲法の特質、明治憲法と日本国憲法について書きたいと思います。今回で行政書士試験の憲法は終了です。ご読了いただきありがとうございました。

 

 

| 憲法の3つの特徴

 

憲法の特徴は3つあります。

1 自由の基礎法

憲法がすべての国民に対して生まれながらに自由で、生命・財産を侵害されない自由を持つことを規定しています。国民の自由の基礎を規定していますので、自由の基礎法と呼ばれています。

2 制限規範

前回にも書きましたが、憲法は国家権力を拘束する基礎法です。その目的は国民を権力から守るためです。

3 最高法規

憲法は法の中の最上位で、憲法に反する法は効力がありません。憲法には最高法規性が認められています。日本国憲法は硬性憲法ですので、その意味でも最高法規性があります。硬性憲法は一般的な法とは違って改正のハードルが高い憲法のことを言います。対義語は軟性憲法です。

 

 

| 明治憲法の特徴

 

明治憲法は日本国憲法と全く異なるところがあります。日本は江戸時代までは立憲主義ではありませんでした。他の西欧諸国と肩を並べるため、1889年に明治憲法が制定されました。国内では明治政府への不満を鎮圧するための憲法制定だったようです。

明治憲法は、国外からの圧力と国内からの圧力で制定されたのです。

明治憲法と日本国憲法の最も大きな違いは天皇の地位です。明治憲法での天皇は、立法・行政・司法の全ての国家作用を掌握していました。天皇に権力が集中していますので、権力の腐敗は避けられません。実際に軍部の暴走で戦争が起こったと言われています。

国民は天皇の臣民であり、臣民としての権利が天皇から与えられていました。

 

 

| 日本国憲法の成立

 

1945年に第二次世界大戦で敗北した日本はポツダム宣言を受諾しました。ポツダム宣言では、軍国主義の排除、民主主義の確立、基本的人権の尊重が要求されていました。

日本国憲法はポツダム宣言にそって作られましたが、成立過程にはいろいろな問題がありました。そもそも日本政府は天皇主権のままでいたかったのです。

政府は松本国務大臣の主催する憲法問題調査委員会で松本案を作成します。松本案の内容は、天皇主権、軍隊の尊属、基本的人権なし、臣民の権利への規制が書かれていたそうです。

このような松本案をGHQが容認するはずがありません。連合国軍総司令部のマッカーサーは3原則を提示して、修正を言い渡しました。3原則は、憲法による天皇の拘束、封建制度の撤廃、戦争の放棄です。

政府はこの3原則を受け入れて、1946年11月3日に日本国憲法が公布され、1947年5月3日に施行されました。現在では、11月3日は文化の日、5月3日は憲法記念日として祝日になっています。

 

 

| まとめ

 

1 憲法の特徴は3つ!

2 明治憲法の一番の特徴は天皇主権!

3 日本国憲法の制定までには紆余曲折!



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