行政書士試験の憲法(憲法の歴史1)

日本国県央の条文については前回までで終了しました。今回からは憲法の歴史について書きたいと思います。

行政書士試験では法学の一般的な問題として出題される可能性がありますので、頭の片隅に残してもらいたいと思います。

 

 

| 憲法ってなに?

 

憲法とは何でしょうか。憲法は国家の在り方を定めた法のことです。憲法と名前が付いていなくても国家の基本法であれば憲法と言えます。たとえばドイツのボン基本法があります。

国家は、土地・人・統治によって成り立っています。領土がなければ国ではありませんし、領土に住んでいる人がいなければ国家とは言えません。また、領土があって人がいても権力による統治がなされていないと単に人の集団にすぎません。

国家を統治する権力は、人類の歴史上かならず腐敗します。そうならないために、憲法によって国家権力を拘束しています。権力は国家権力の暴走から国民を守ってくれているのです。

国民を拘束するのは法律ですが、法律は憲法に基づいて作られます。法律によって不当に国民が拘束されないように、憲法が国家権力を拘束しています。

 

 

| 憲法の3つの意味

 

憲法には3つの意味があるとされています。

1 形式的意味の憲法

形式的な意味の憲法は成文法として憲法が存在していることをいいます。どのような内容の憲法であっても成文法として存在すれば、形式的な意味としての憲法が存在することになります。

2 固有の意味の憲法

固有の意味の憲法は様々な機関の関係を規律するルールとしての憲法です。日本国憲法でいえば統治の部分です。国のシステム作りの部分ですね。

3 立憲的意味の憲法

立憲的意味の憲法は国家権力を拘束して政治をするための憲法です。国家権力を拘束するということは国民を守るということです。立憲主義による憲法はギリシャの時代からあったそうですが、その頃の憲法は王や貴族のための憲法だったそうです。

 

 

| 立憲主義ってなに?

 

先ほどさらっと立憲主義と書きましたが、立憲主義とは何でしょうか?

近代的な立憲主義が誕生したのはフランス人権宣言の時だとされています。近代的な立憲主義は、個人の自由や権利を守るために憲法で国家権力を拘束する考え方です。

近代的な立憲主義はとても良い考え方だと思われますが、実は欠点があります。個人の自由や権利を守ることだけを目的とすると、資本主義社会では貧富の差が大きくなり貧しい人たちは生活ができなくなってしまいます。

そこで現代的な立憲主義が誕生しました。現代的な立憲主義では、社会的弱者を救うための人権として社会権が加わりました。生存権や労働基本権のことですね。

日本国憲法では社会権が規定されていますから現代的な立憲主義に基づいた憲法だと言えます。

 

 

| 法治国家と法の支配

 

法律によって規律されている国家のことを、よく“法治国家”と呼ばれています。憲法的な意味では、日本は“法治国家”ではなく“法の支配”だと言われています。

法治国家と法の支配では何が違うのでしょうか?

法治国家は法によって支配していることです。法の良し悪しは関係ありません。悪法も法として順守しなければいけません。

それに対して法の支配は“正しい”法によって支配されていることです。悪法は法ではありません。法が正しいか間違っているのかは正しい憲法によって判断されます。そのために裁判所には違憲審査権が与えられています。

 

 

| まとめ

 

1 憲法は国家を拘束するもの!

2 立憲的意味の憲法が重要!

3 日本は法治国家ではなく法の支配!



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