戸建もマンションも新築住宅の流通量が減ってきていると感じるここ大阪。(株)不動産経済研究所が発表した“近畿圏のマンション市場動向”(2019年度)によりますと、近畿の新築マンションの販売戸数は2桁減になっていたようです。
今回は、近畿圏のマンション市場動向を見てみたいと思います。
| 新築マンション販売数は2桁減
一時に比べて新築マンションの建築は少なくなってきたように感じていました。弊社のような仲介業者は新築マンションの販売にはなかなかタッチできません。建築会社が直接お客さんに売るからです。
関与できないとは言っても、分譲マンションの建築は目につきますよね。数年前に比べると新築の分譲マンションはかなり減っている印象でした。
近畿圏のマンション市場動向では、2018年度の販売戸数は約2万件。対して2019年度の販売戸数は約1.7万件でした。約13%の減少になります。
ちなみに過去の新築分譲マンションの販売戸数はおおよそ次のとおりです。
1994~1996年度:約4万戸
1997~2006年度:約3~4万戸
2007~2012年度:約2~3万戸
2014~2019年度:約2万戸
25年くらい前はかなりの数の新築分譲マンションが販売されたことが分かります。当時から比べると現在はおおよそ半分程度になっています。相対的に中古マンションの販売戸数が増えているのも納得ですね。
販売戸数は減っていますが、㎡単価は7年連続の上昇です。販売価格は2018年度と同価格になっています。
| 大阪市内は販売戸数が増加
近畿圏で新築分譲マンションの販売戸数は13%減になっていますが、販売戸数が増加した地域もあります。
大きく増えたのが和歌山県。2018年度は74戸だったのが2019年度には141戸に増えており、90.5%増になっています。ただ、元々の数が少ないですからあまり参考にならないと思います。
その他では、滋賀県は約8%増加しています。2018年度は741戸だったのが2019年度には798戸でした。
大阪市ももちろん増加しています。2018年度には8,759戸で、2019年度には8,861戸となり、約1%増加しました。ほぼ横ばいですね。最近は大阪市内の中心部でのマンション建築ラッシュがありましたが、2019年度は少し落ち着いてきたのでしょうか。
月別の契約戸数を見ますと、圧倒的に12月が多くなっています。他の月の2~5倍ほどです。年末に契約が行われるのは毎年恒例ですので、2019年度が特別ではありません。
ただ、2018年度の12月は他の月の2~3倍ほどですから、2019年度は12月に特に集中したとも考えられます。消費税が上がった10月以降は、例年に比べて契約数が少なめですので、その反動が年末に来たのかもしれませんね。
| まとめ
1 新築分譲マンションの販売戸数は13%減!
2 大阪市の販売戸数は横ばい!
3 2019年は12月に契約が集中!