大家さんを困らせる家賃滞納

大家さんを悩ませる2大要因は“空室”と“家賃滞納”だと言われています。近年の空家率の上昇によってなかなか借主が現れず募集をしているにもかかわらず1年以上空き室になっていることもあります。社会問題にもなっていますので大家さん1人の努力ではなかなか対策が難しい状況です。

家賃滞納ですが、こちらにはさまざまなパターンがあります。借主が夜逃げしたり孤独死していたりする場合、家賃の回収は一筋縄ではいきません。

今回は滞納家賃の回収について書きたいと思います。

 

 

| 家賃を滞納する理由

 

以前の記事“賃借人の家賃滞納はどうしたらいい?”でも書きましたが、家賃を滞納する理由には様々あります。

ほとんどの場合は、仕事を辞めたことが原因です。収入がなくなれば貯蓄は減っていき、そのうちに家賃を支払えなくなってしまいます。就職活動をしていればいいですが、資産がないにもかかわらず生活保護の申請もせずに漫然と過ごしている人もいます。病気などで働けない場合には行政に相談するのが賢明です。

その他には、単に忘れていたという理由、旅行に行っていて振込できなかったという理由などがあります。

内閣府によりますと、仕事を失って引きこもってしまう中高年は61万人以上います。このような方の家賃滞納する理由は“お金がないから”です。

 

 

| 借主が夜逃げをしたら?

 

長年住んでいて家賃の支払をきちんとしていた借主さんが、突然夜逃げ同然で連絡が取れなくなってしまうことがあります。昨今の不景気によって仕事を失い家賃が払えなくなって友人や知り合いの家に厄介になるような場合です。

1 借主本人への連絡

家賃の支払いが滞れば初めに借主本人に請求しますが、連絡が取れないとどうしていいか分からなくなる大家さんもいらっしゃいます。そのような場合には、借主の勤務先に連絡してみてください。在籍を確認してまだ勤務中であれば電話をつないでもらえます。退職していた場合には次の手段に移ります。

2 連帯保証人への連絡

借主本人もダメ、勤務先もダメとなると、連帯保証人に連絡します。連帯保証人に電話がつながらなければ、請求書を郵送します。連帯保証人が無断で転居していると電話も郵送もダメですから、連帯保証人の住民票を取得して新しい住所へ請求書を郵送します。住民票は債権者による債権回収のためでも取得できます。

この時に一番困るのは連帯保証人がすでに死亡している場合です。借主本人にも連絡が取れず、連帯保証人も亡くなっている場合にはどうしたらいいでしょうか。

3 室内の安否確認

借主が建物に居住している場合には請求書を郵送すればいいのですから、借主がまだ建物に出入りしているかどうかを確かめます。方法は色々あると思いますが、たとえば玄関のドアが開けられているかどうかを確認するために、ドアの丁番にセロハンテープなどを貼っておきます。

後日もう一度訪問してドアの開扉がなければ、警察官に同行してもらって室内の安否確認をします。

4 借主への解除の通知

室内が空の状態であれば、借主の住民票を取得して滞納家賃の請求書と賃貸借契約の解除の通知書を郵送します。家賃滞納によって貸主と借主の信頼関係が破壊されて、解除の通知書を送った後、契約解除日を過ぎても滞納家賃の支払いがなかったり連絡がなかったりした場合には、借主は建物の明渡を完了したとみなせる場合があります。

建物の明渡請求を民事訴訟ですると半年以上の時間がかかると言われていますので、滞納家賃が増えるだけであまり解決には向かないかもしれません。

5 連帯保証人の相続人へ請求

判例によりますと、連帯保証人の相続人は相続開始後の賃料を保証する責任があります。ですから、貸主は連帯保証人の相続人に滞納賃料を請求することができます。

そのためには相続人の住所を調べなければいけません。相続人を調べるには、連帯保証人の戸籍を取得しなければいけませんので、本籍地や戸籍筆頭者を知る必要があります。通常の債権者は、原則として本籍地や戸籍筆頭者が記載されている住民票を取得することはできません。市役所に拒否されてしまいます。例外的に債務者(連帯保証人)が死亡している場合には、本籍地や戸籍筆頭者が記載された住民票を取得することができます。

連帯保証人の戸籍から相続人を割り出します。法定相続人が分かりましたら住民票を取得して直接訪ねるか請求書を郵送します。

ここで相続人が相続放棄をしていた場合には、借主本人から何とか回収するしかないと思われます。

 

 

| まとめ

 

1 家賃滞納の理由は仕事がなくなったから!?

2 借主への連絡がつかなくなったら連帯保証人へ!

3 連帯保証人が亡くなっていたら相続人へ!



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