2019年宅建士試験 民法検討 (問12~問14)

2019年の宅地建物取引士試験の合格発表が12月4日にありました。試験問題が公表されましたので、検討してみたいと思います。みなさんが苦手な民法です。

民法の点数が安定すると試験合格がぐっと近づきます。来年の試験まで10カ月ありますから、焦らずじっくりと基礎固めをしていきましょう。

今回は、2019年の問12、問13、問14です。

 

 

| 宅建士試験の民法検討 (問12~問14)

 

今回が民法の最後です。さっそく問題を見ていきましょう。

 

【問 12】

建物賃貸借の問題です。民法と借地借家法が関係しています。正しい肢を選びます。この問題には条件があり、取壊し予定の建物の賃貸借(借地借家法39条)、一時使用目的の建物の賃貸借(借地借家法40条)を考える必要はありません。

【問11】と同じく、普通借家と定期借家の両方を考える必要がありますので注意が必要です。この問題は問11と比較して易しくなっています。

1 定期借家は書面で契約しなければいけませんが、それだけでは足りません。賃貸人は賃借人に対して、契約の更新がない旨を記載した書面を交付して説明をしなければいけません。書面の交付や説明がなければ普通借家契約になり、契約の更新がない旨の契約は無効です。

2 契約の更新がない旨の契約は定期借家契約のときのみ有効です。定期借家契約は書面で締結しなければいけません。居住用建物の賃貸借であるかどうかにかかわらず、書面によらない契約では普通借家契約になります。

3 期間の定めがある建物の賃貸借契約では、期間満了の1年前から6か月前までの間に更新しない旨を通知しなければ、従前の契約と同一の条件で契約したことになります。更新後の契約は期間の定めのない賃貸借契約になります。

4 適法な建物の転貸借の場合には、期間満了や解約申し入れによって賃貸借契約が終了するときは、賃貸人は転借人に対しても原契約が終了することを通知しなければいけません。通知をしない場合には転借人に建物を明け渡せと言えなくなります。

 

【問 13】

この問題から民法や借地借家法を離れます。問13は区分所有法です。正しい肢を選びます。

1 専有部分に共有者がいる場合には、議決権を行使する人を1人に決めておかなければいけません。

2 利害関係者は集会に出席して意見を述べることはできますが、議決権を行使することはできません。

3 一般的に、集会では管理者や集会を招集した区分所有者のうちの1人が議長になります。ただし、規約に別段の定めがある場合や別段の決議をした場合は除きます。

4 集会の決議は、区分所有者数の過半数かつ議決権の過半数で決せられます。ただし、法律や規約に別段の定めがある場合を除きます。

 

【問 14】

この問題は不動産登記法の問題です。誤っている肢を選びます。

1 管轄違いの登記申請は、理由付きの決定で却下されます。

2 登記名義人が異なる土地の合筆はできません。

3 分筆や合筆の登記申請者は表題部所有者か登記名義人です。分筆の申請がない場合には、登記官が職権で分筆の登記をしなければいけません。

4 登記申請の代理は、本人の死亡、法人の合併による消滅、信託の任務終了、法定代理人の死亡・消滅・変更によっては終了しません。任意代理なのに本人の死亡によって代理が終了しないというのは民法とは異なる規定です。

 

民法の過去問解説は今回で終了です。お疲れ様でした。

 

 

| まとめ

 

1 定期借家では契約書面と説明が必要!

2 集会決議は区分所有者と議決権の過半数が原則!

3 分筆や合筆の登記申請は要注意!



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