行政書士試験の記述は大丈夫? - 物権の得喪・抵当権の効力

2019年の行政書士試験は11月10日(日)に行われます。2019年度の試験の難易度は分かりませんが、出題ミスがなければ10%前後になるのではないでしょうか。

行政書士試験での一番のポイントは“記述式でどれだけ安定して得点ができるか”ではないでしょうか。受験生の皆さんは過去問や問題集で演習をしていることと思います。今回のシリーズは記述式試験(過去問)の解答への考え方を書きます。あくまでも私アシュラとして…ですので、ご了承ください。今回は2問です。

過去問(2013年度以降)は行政書士試験研究センターのサイトにあります。

 

 

| 民法 - 物権の得喪

 

問題(2009年 第46問)

【設問】

XはA所有の甲建物を購入したが未だ移転登記は行っていない。現在甲建物にはAからこの建物を借り受けたYが居住しているが、A・Y間の賃貸借契約は既に解除されている。XはYに対して建物の明け渡しを求めることができるか。

【答え】

XはYに対して登記なくして自らが所有者であることを主張し、明け渡しを求めることができる。民法177条の規定によれば「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」とあるところ、判例によれば、同規定中の〔    〕をいうものと解されている。ところが本件事案では、Yについて、これに該当するとは認められないからである。

 

本問では今まで見てきたような問題文の誘導はありません。しかし、問題文の最後の部分に“本件事案では、Yについて、これに該当するとは認められないからである”と書かれています。また、177条の条文が載せられていて、登記がなければ第三者に対抗できないとあります。

1 甲建物は未登記

2 所有者として賃借人に明け渡し請求可

3 この点、登記がなければ第三者に対抗できない

4 判例によれば、177条の〇〇をいう

5 ところが、Yはこれに該当しない

問題文はこのような流れになっています。177条では登記がなければ第三者に対抗できないとしているけれども、本件事案で登記がなくても賃借人に明け渡し請求ができる(第三者に対抗できる)根拠は、Yが177条の“これ”に該当しないことだと言っています。

つまり、解答になるのは177条の第三者がどのような者をいうのかという部分です。

177条の第三者の判例の定義は暗記事項ですので、覚えていなければ回答できずに0点です。知っていれば1分で解けます。

 

“第三者とは、当事者及びその包括承継人以外の者で、登記の欠缺を主張する正当な利益を有する者”(44字)

 

その他の解答例

“第三者とは、当事者又は包括承継人以外の者で、登記の不存在を主張する正当な利益を有する者”(43字)

 

第三者の定義で覚えておくべきなのは、177条(登記)以外にも94条2項(通謀虚偽表示)、96条3項(詐欺)、545条1項(解除)などがあります。

 

 

| 民法 - 物権 抵当権の効力

 

問題(2006年度 第46問)

AはBに対して3000万円の貸金債権を有しており、この債権を被担保債権としてB所有の建物に抵当権の設定を受けた。ところが、この建物は、抵当権設定後、Cの放火により焼失してしまった。BがCに対して損害賠償の請求ができる場合に、Aは、どのような要件のもとであれば、この損害賠償請求権に対して抵当権の効力を及ぼすことができるか。40字程度で記述しなさい。

 

問題文では“どのような要件のもとで”抵当権の効力を及ぼすことができるかと問うています。ですから、抵当権の効力が及ぶのはどのような要件のもとでなのかを書かなければ点数になりません。

今回は図を載せなくても分かりやすい事例だと思います。

抵当権者Aは、債務者Bが第三者Cに請求できる損害賠償請求権に対して抵当権の効力を及ぼして、3000万円の債権を回収したいと考えています。

抵当権の効力が及ぶ範囲をまとめます。

1 抵当目的物の交換価値

2 付加一体物

3 従物

4 果実

本事案では損害賠償請求の場合ですから、付加一体物・従物・果実の問題ではなく、“1抵当目的物の交換価値”(物上代位性)が問われています。

物上代位性は、付従性・随伴性・不可分性などと並んで担保物権の通有性の一つです。知識として知っているかどうかが、本問題に解答できるかどうかの重要な分かれ目になります。

物上代位の要件は“払い渡し又は引渡の前に差し押さえること”です。

 

“CがBに対して払い渡す前に、AはBの有する損害賠償請求権を差し押さえなければならない。”(43字)

 

今回は2問とも覚えておかないとどうしようもない問題でした。覚えてさえいれば1~2分で解答できます。行政書士試験の出題範囲を全て暗記することはできませんので理解することは大切ですが、中には丸暗記でしのげる部分もあります。要件・効果や定義は暗記してしまいましょう。

 

 

| まとめ

 

1 177条以外の第三者も丸暗記!

2 要件・効果は丸暗記!

3 覚えていれば1~2分で解ける問題があります!



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