| 一元化されたデータベース
平成30年12月1日現在で、不動産の情報が一元化されたデータベースは“REINS(レインズ)”だけだと思われます。レインズは不動産業者だけが登録・閲覧できる物件情報サイトで、不動産屋は物件の情報の多くをレインズで入手しています。ここで得た情報をスーモやホームズなどの物件ポータルサイトに掲載しています。
その他の情報は様々な場所に拡散されている状態です。たとえば、次のようなものがあります。
・接道、建ぺい率、容積率など : 地方自治体、法務局など
・住宅性能情報 : 住宅性能評価制度
・建物の劣化状態 : 中古住宅診断(ホームインスペクション)
・修繕履歴 : 住宅履歴情報
・設計図書、長期修繕計画など : 安心R住宅
・住宅の欠陥に対する補償 : 既存住宅売買瑕疵保険
・災害に関する情報 : ハザードマップ(地方自治体など)
このような情報を一元化して、売主や買主でも一部の情報を閲覧できるようにしようというシステム作りが、国道交通省によってなされています。
| 不動産総合データベース
不動産の情報の一元化といっても、どのような情報が一元化されるのでしょうか。国土交通省は次のような情報を集約させようとしています。
1 過去の取引履歴
物件の所在地や面積、間取、建物構造、接道、設備、図面のほかに成約価格や成約年月日も記載される予定です。現在のレインズの情報に似ています。重要事項説明書に記載される内容が多くなっています。
2 住宅履歴
設計図書、性能評価、検査、住宅付帯設備、維持保全履歴、問い合わせ先などです。
3 マンション管理情報
物件概要、管理委託について、収支会計、管理規約、修繕計画、修繕履歴などです。
4 法令の制限
用途地域、防火地域、地区計画、建築協定区域、道路種別、宅地造成工事規制区域、景観計画などです。重要事項説明書に記載される内容です。
5 ハザードマップなど
土砂災害警戒区域、浸水想定区域、地すべり防止区域、津波災害警戒区域、想定震度、過去の土地条件などです。
6 周辺公共施設や学区
市町村役場、公民館、医療機関、都市公園、消防署・警察署、郵便局、学校、小中学校区などです。
7 周辺の不動産価格
不動産取引価格、地価公示価格、都道府県地価調査価格、固定資産税路線価などです。現在でも公にされている情報が多いです。
これらの情報の中で、個人情報に該当する情報や一般に公開されない情報は除いて、売主さんや買主さんに公表されるのではないでしょうか。
ただ、これらの情報を入力するのは不動産屋ですから、どこまでの情報が入力されるかは未知数です。なぜなら、不動産屋の情報収集・入力の手間や負担を考えると、メリットを感じない業者は少なくないと思われるからです。
現在のレインズでも住所があいまいであったり登録されない非公開物件があったりします。このような問題が解決されない限り、広く一般に使いやすいシステムを構築するのは難しいのではないでしょうか。
| まとめ
1 現在は物件情報の所在はバラバラ!
2 不動産総合データベースで一元化!
3 現状では問題が山積み!?