| 不動産業の研修会って何をするの?
麻田不動産が加入している団体の一つに大阪府宅地建物取引業協会があります。宅建業協会は、宅建業法64条の6の規定によって、宅建業に携わるすべての方の資質の向上のために不動産業務研修会を開催しなければいけません。所属している業者は参加が必須です。
宅建業協会では年に3回ほど研修会がありますが、1回だけは実際に集まって研修を受け、残りの2回はインターネット上で研修を受けます。今回は平成30年度の第1回不動産業務研修会に参加してきました。
内容としては、税制関連、空き家等の制度関連、火災保険関連、人権関連など不動産業者が知っておくべき事柄が中心です。今回は人権関連と税制関連、2022年問題でした。
| 不動産に関する税金
平成30年は変更が特になく、今までの優遇措置などが延長される措置が取られたようです。主なところを挙げてみます。
1 特定居住用財産の買換え特例
①居住用財産、②10年超の所有、③10年以上の居住などの要件を満たせば3000万円控除と軽減税率の特例が受けられます。
2 空き家に係る譲渡所得の特別控除
相続した空き家が昭和56年5月31日までに建てられた家屋である場合に、条件を満たせば3000万円の控除が受けられます。
3 居住用財産の買換えの譲渡損失繰越控除
住居を買い換えたときに損失がある場合に、条件を満たせばその年と翌年以後3年間に損失を繰り越せます。
4 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控除
住居を売却したときに損失がある場合に、条件を満たせばその年と翌年以後3年間に損失を繰り越せます。
その他にも、固定資産税、不動産取得税、登録免許税(登記代)なども現行の制度が延長されました。
| 2022年問題はどうなる?
不動産業界では2022年に一つの事件を迎えます。以前に“この頃よく聞く2022年問題って?”や“生産緑地の今!”で書かせていただきましたが、2022年に生産緑地の指定が切れて住宅用地として大量に出回るのではないかという問題です。
生産緑地に指定されるメリットは、大きく2つあります。
1 相続税の納税猶予
生産緑地で農業をしている限り相続税の納税が猶予される制度です。
2 固定資産税が安い
生産緑地の農地では固定資産税が宅地に比べて圧倒的に安いです。
この部分は変わらないのですが、現在、生産緑地になっている農地をどうするかは3つの選択肢が与えられました。
1 生産緑地の買い取りを申し出る
生産緑地を宅地として売却できるようになります。ただし、相続税の納税猶予はなくなりますし、宅地並みの固定資産税になります。
2 特定生産緑地の指定を受ける
相続税の猶予や固定資産税の農地課税は継続されます。ただし、10年間は買い取りの申し出ができず農業を続けなければいけません。
3 今のままの生産緑地とする
いつでも買い取りの申し出ができるので売却可能ですし、現在受けている納税猶予も継続されます。ただし、新たに納税猶予の適用はありませんし、宅地並みの固定資産税になります。
これを機会に農業をやめるなら①買い取りの申し出、どうするか分からないなら②とりあえず10年間農業を続ける、③税金は高くなっても今のままの生産緑地にする、という選択になるのでしょうか。
難しい判断が4年後に迫っています。生産緑地で農業をされている方は早いうちに準備を始めましょう。
| まとめ
1 不動産の業務研修会への参加は義務!
2 不動産の税金は現状を延長!
3 生産緑地には3つの選択肢!