| 行政書士の作成する書類
行政書士は大きく分けて次の3つの書類の作成を独占業務としています。
1 官公署に提出する書類
2 権利義務に関する書類
3 事実証明に関する書類
1~3はきっちりと分けられるものではなく、1部の書類が権利義務に関する書類だったり事実証明に関する書類だったりします。たとえば、契約書は契約した事実を証明する書類ですし、契約書に書かれた契約の内容から権利や義務が発生する書類でもあります。
ですからこれらを分ける実益はありません。ある書類を上の1~3のどれか1つに当てはめようと頑張っても、行政書士が作成する書類に何か変化があるわけではないのです。2に当てはまっても3に当てはまっても、作成する契約書は同じものです。
| 事実証明に関する書類って?
官公署に提出する書類、権利義務に関する書類はイメージが沸きやすいかもしれません。
1 官公署に提出する書類
官公署に提出する書類は“住民票の写し等交付申請書”などがそうです。役所の窓口で住所や氏名を記入するアレですね。分からなければ職員に尋ねればよいので誰も行政書士に頼まないとは思いますが…。他にもう少し専門的なものでは“建設業許可の申請書”があります。
2 権利義務に関する書類
権利義務に関する書類は“契約書”や“クーリングオフの内容証明”などです。専門的なものでは“遺産分割協議書”があります。
3 事実証明に関する書類
これらに対して、事実証明に関する書類ってイメージが沸きにくくありませんか?“事実”を“証明”する“書類”…う~ん…と悩みますね。
一番わかりやすいのは会社の“帳簿”でしょうか。日々のお金の動きを帳面に記載したものですから、まさに事実証明に関する書類ですね。その他には、会社の“議事録”、土地の“図面”などがあります。
お金の動き、取締役会で話し合いがあったこと、土地の形や面積は確かに“事実”です。ではそれらが事実であると“証明”するのは誰でしょうか?お金の動きは公認会計士でしょう。取締役会の話し合いの内容は取締役や取締役会でしょうか。土地の形や面積は測量士ですね。
行政書士は、公認会計士や取締役、測量士が証明した事実を書面として残すための書類を作成することができます。…やっぱりややこしいですね。法律上の業務というのではありませんが、イメージとして宝石の鑑定をする鑑定士と鑑定した内容を書面にする従業員といったところでしょうか。
他の法律で規制されているもの以外でも、行政書士自身が事実を証明するということはほとんど行われていないと思います。今後、行政書士が証明業務に大きく参入する日は来るのでしょうか?
| まとめ
1 行政書士の独占業務は主に3つ!
2 事実証明に関する書類の例は帳簿!
3 証明自体と事実証明の書類作成は違います!