信用保証協会の保証付き融資が厳しくなる!?

| 信用保証協会って?

 

大企業は資産も技術の蓄積もあり金融面での信用力は十分にあります。ですから、融資を受けるときにも比較的スムーズに進みます。

それに対して、中小企業は資産が少なく事業も小規模ですからどうしても信用力が低くなります。ですから、中小企業は金融機関からの融資による資金繰りは苦しくなります。要するに、金融機関側からいうと“返してもらえる可能性が低い企業にはお金を貸せない”ということです。

資金繰りに苦しい中小企業はどうすればいいのでしょうか?

このような中小企業のために各地に信用保証協会があります。信用保証協会は、民間金融機関から事業者がお金を借りるときにその保証をしてくれます。中小企業が返済できなくなったら、信用保証協会が中小企業に代わって借金を返してくれるのです。そのかわりに中小企業は信用保証協会へ保証料を支払う必要があります。いわゆる中小企業の保証人ですね。

 

銀行から融資をしてもらって喜んでいる会社の社長のイラスト

 

こういった信用を補完してくれる制度には、一般保証とセーフティネット保証があります。

 

 

| 信用保証協会の役割の見直し

 

信用保証協会は中小企業の保証人の役割を果たしますから、これまで以上に多様な需要に応えていかなければいけません。小口融資や創業融資、承継時の融資などが代表例です。

反面、信用保証に頼り切ってしまうと、事業者は簡単にお金が借りられると勘違いをして経営改善の意欲が低下しますし、金融機関は事業者への経営支援がおろそかになりがちです

ですから、信用保証協会と金融機関がより強固に連携して事業者への経営支援を行い、きめ細かい需要に応えていく必要があると考えられています。

信用保証協会の財政が非常に厳しい状態になったので、信用保証協会の保証の仕方や経営支援の仕方を変えようというのが見直しの背景にあります。今回の見直しは一般保証に関するものが多くなっています。

 

 

| 見直しの概要

 

今回の見直しは平成30年4月1日から適用されます。政策の内容は次のとおりですが、詳しくは中小企業庁のサイトを参照してください。

 

〇 きめ細かい需要に応えるための措置

1 危機関連保証の創設

従来の保証限度額とは別枠で新たに最大2.8億円の保証が実施されます。

2 小規模事業者への支援の拡充

特別小口保険の限度額が1250万円から2000万円に増えます。

3 創業関連保証の拡充

創業関連保証の限度額が1000万円から2000万円に増えます。

4 特定経営承継関連保証の創設

認定を受けた中小企業の代表者個人が、事業承継に必要な資金、例えば株式取得資金などの融資を受けるときに信用保険の対象となります。

5 経営改善・事業再生、再チャレンジ支援など

信用保証協会が直接経営支援を実施します。思い切った設備投資や事業拡大ができる環境が整備されます。

6 円滑な撤退支援

事業をたたむと決めたときに必要な資金、例えば買掛金決済や原状復帰費用などのつなぎ資金を信用保証協会が保証します。

7 出資ファンドの対象拡大など

信用保証協会が再生ファンド以外のファンドにも出資できるように、地域の資金需要に応える保証メニューが増やされます。

 

〇 信用保証協会と金融機関が連携した支援

1 信用保証協会と金融機関の連携

金融機関の行うプロパー融資と信用保証付きの融資を適切に組み合わせることでリスクを分担できるように、信用保証協会と金融機関の連携が強化されます。

2 信用保証協会による経営支援

信用保証協会が直接的に経営支援をします。また、メインバンクからの融資が見込めないときに他の金融機関を紹介したり、中小企業支援機関(商工会議所や認定支援機関など)に資金繰りの相談があったときは速やかに信用保証協会などへ繋ぐようにしたりするなど、信用保証協会と中小企業支援機関が連携することで相談体制が強化されます。

3 セーフティネット保証5号の保証割合の引き下げ

不況業種のセーフティネットの保証割合が100%から80%になります。

 

 

| 融資への影響

 

これらの施策の中で融資を受けられるかどうかに直結するのが、信用保証協会の信用保証付き融資(マル保融資)を減らす政策です。

信用保証協会の保証に頼りすぎないようにするために、今まではマル保融資がなされていた場合も金融機関のプロパー融資へと促されるようになるでしょう。金融機関にもよりますが、一般にプロパー融資の方が審査は厳しいです。信用保証協会自体の審査も厳しくなるかもしれません。

また、今までは“信用保証協会がOKを出したら金融機関の融資はほぼOK”という状態でしたが、これが変わりますので金融機関と信用保証協会の両者に融資の必要性と返済の確実性をきちんと説明しなければいけません。今までと同じようには融資を受けられないことになります。

今後は信用保証協会の保証付きの融資は厳しくなることを覚悟しなければいけないでしょう。

 

 

| まとめ

 

1 信用保証協会は中小企業の保証人!

2 信用保証協会の財政はピンチ!

3 信用保証協会の保証が充実します!

4 保証を受けるのは難しくなりそうです!



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