還付金が戻ってこない!

| 年末調整の還付金

 

収入のある人は毎年1月1日から12月31日までの所得をベースに所得税が計算されます。会社員でも個人事業主でも家賃収入で生活している人も年金受給者も同じです。

会社員と年金受給者以外は、毎年の収入と費用を集計して差額を所得として確定申告します。年金受給者は少し複雑ですが、原則的に年金額が400万円以下で年金以外の収入が20万円以下の人は確定申告は不要です。

会社員は会社が税金を計算します。源泉徴収された金額と正しい金額を比べて差し引きするのです。これが年末調整です。正しい金額よりも源泉徴収された金額が多い場合にはその差額が還付されます。

 

机の上でレシート等の書類と電卓を並べて、確定申告の申告書に収入金額などを記入している男性のイラスト

 

 

| 還付金が戻ってこない!?

 

多くの人は年末調整で還付金があります。生命保険料や住宅ローンの控除があるからです。しかし、これらの控除が全くなかった人は、源泉徴収された金額と正しい金額が一致しますので、還付金が戻ってきません。

その他の控除に”配偶者(特別)控除”や”扶養控除”があります。年の途中で扶養人数が減った場合には、源泉徴収された金額が正しい金額に満たないので、年末調整時に追加天引きされます。

扶養人数が減る場合ってどんな場合でしょうか?

1 奥様がパートで働き始めたとき

例えば、専業主婦(夫)だった配偶者が年の途中から働き始めた場合です。この場合、年収が103万円を超えると扶養を外れます。具体的には、奥様が4月からパートで働き始めて5月から月13万円の収入があったとしましょう。この年の奥様の年収は13万円×8か月=104万円です。103万円を超えますのでご主人の扶養から外れてしまいます。

しかし、1月から4月までのご主人の源泉徴収金額は、奥様が扶養に入っているように計算がなされています。実際にはこの年は奥様はご主人の扶養から外れているのですから、1月から4月までは正しい金額よりも源泉徴収額が少なくなっているのです。その結果、年末調整で追加天引きされてしまう可能性があります。

 

ベストの制服を着た女性会社員(OL)がノートパソコンで仕事をしているイラスト

 

2 お子様のアルバイト

奥様がパートで働かれる以外にも、注意しなければいけないのはお子様のアルバイトです。一人暮らしをしている大学生のお子様がアルバイトで月10万円を稼いでいることもあるでしょう。10万円×12か月=120万円ですから103万円を超えていて扶養に入れません。

このお子様を扶養に入れていて、お子様のアルバイト先の企業がしっかりと市町村に給与支払額を申告している場合、年末調整で追加天引きされてしまう可能性があります。一人暮らしをされているお子様の収入はしっかりと把握しておきましょう。

 

一生懸命に新聞配達のアルバイトをしながら、自分の学費を稼いでいる学生のイラスト

 

3 会社のミス

あってはならないことですが、会社が事務のミスをしていることがあります。扶養から外れたことをきちんと会社に申告していても会社が処理をしていなかったというような場合です。この場合も源泉徴収額が少なくなりますので、年末調整で追加天引きされてしまう可能性があります。

 

| マイナンバーで容易に把握

 

会社は毎年市町村に給与支払いの報告をします。住民税を計算するためです。この報告用紙にはマイナンバーを記載します。給与の金額とマイナンバーは市町村から税務署へ情報提供されます。

報告された給与の支払い金額を使って、市町村は住民税の計算を、税務署は所得税の計算をします。このとき、今までは住所や氏名でデータの突合せがなされていましたが、今はマイナンバーが一致しているだけで簡単にデータの突合せができます。扶養家族のマイナンバーも記載されますから、扶養家族が103万円を超える収入があれば市町村や税務署はすぐに分かってしまうのです。

扶養家族の収入は知らなかったでは済まされません。マイナンバー、怖いですね…。ご家族とのコミュニケーション、特に収入についてのコミュニケーションをこれまで以上に大切にしてください。

 

マイナンバー制度により、12桁の個人番号を割り振られた国民のイラスト

 

| まとめ

 

1 年末調整は会社が行う確定申告!

2 扶養家族の収入には注意!

3 マイナンバーですぐにバレる!?



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