| 国土交通省の肝いり!“i-Construction”
国土交通省では、建設現場の生産性向上に力を入れています。“ICT技術の活用”、“規格の標準化”、“施行時期の平準化”です。これらはまとめて“i-Construction”と呼んでいます。
目指すものは、“生産性向上”、“賃金水準の向上”、“死亡事故ゼロ”、“給与、休暇、希望”。美しい言葉が並んでいます。どうやって実現するのでしょうか?
| 課題は山盛り!
ICTの導入をした場合、土工現場の大きな流れとしては以下のようになります。
1 ドローンによる3次元測量
2 3次元測量データを使って施工量を自動算出
3 3次元測量データに基づいて建設機械を自動制御で施行
4 ドローンによる3次元測量による検査
ここで必要になる主なものは、レーザー測量ができるドローン一式、処理ソフト(設計・出来形など)、ICT建設機械です。どれも大変高価なもので、中小企業にとっては一度に揃えられるものではありません。また費用以外にもICTに不慣れな労働者が多く訓練や教育に時間がかかります。“高額な費用”と“人材育成”、これらが導入の進んでいない原因の一つです。
| メリットもたくさん!
たしかに課題は多くあります。でも、メリットもたくさんあるんです。
1 ドローンの利用で短時間で高密度な3次元測量が可能です。
2 施工量を自動で算出するので時間と手間が省けます。
3 重機の日当たり施工量は約1.5倍、作業員は約1/3になるといわれています。
4 ドローンの利用で出来形の書類が不要になり、検査項目が半減します。
どのメリットも時間と労働量が大きく減少しますので、生産性の向上が見込めます。
| 国道交通省の取り組み
企業はメリットとデメリットを勘案して導入を決めるわけですが、ICTを推進する国土交通省は何をしてくれるのでしょうか?
ドローンを使った測量マニュアルの策定や様々な規格・基準の標準化は当然として、補助金や税制優遇もあります。
主なものとして、以下のものがあります。
3 環境・エネルギー対策資金(日本政策金融公庫による低利融資)
4 IT活用促進基金(日本政策公庫による低利融資)
5 固定資産税1/2の優遇(3年間)(中小企業等経営強化法)
6 特別償却30%または税制控除7%の優遇(中小企業投資促進税制)
国土交通省は、これらの補助金や税制優遇を活用してもらうことで、何とかICT化を促進させようとしています。新たにモノを買ってもらって経済を回したいという思惑もあるのでしょうが、好意的に捉えるなら、生産性を向上させて企業に元気になってもらい、競争力と業績を上げてもらいたいのでしょうね。税収も増えますしね…。
| まとめ
1 i-Constructionは建設現場の生産性向上を目指しています!
2 ICTの導入には多額の費用がかかります!
3 ICTの導入で時間と労働力が大きく減少!
4 補助金や税制優遇があります!