遺品整理がトラブルの元?

遺品整理を依頼する方は相続人であることがほぼすべてだと思います。しかし、中には相続する権利がない人が遺品整理を依頼する可能性があります。

といいますのも、遺品整理業者は依頼者が本当に相続人であるかどうかがわからないからです。

今回は、相続する権利がある人の確定方法を書きたいと思います。当事務所は行政書士法人ですので相続人確定の専門家です。遺品整理をご希望の方は専門家に一度ご相談ください。

 

| 相続人の調査方法

 

遺品整理を依頼するときには、依頼者ご自身が相続人であること、遺品を整理する権限があることを明らかにすると相続人間でのトラブルを未然に防ぐことができます。

たとえば、他の相続人から捨てたり売却したりせずに自分が欲しかったとか、思い出の品なので手元に残しておきたかったなどですね。このようなトラブルが起きないように、相続人間でよく話し合ったり、遺品を整理する権限を1人に与えたり、遺産分割協議書を作成しておくなどするとよいです。

まずは相続人の調査・確定をします。

 

 

| 相続人の調査・確定

 

親族が亡くなって相続人になったら、まず法定相続人の調査をします。遺産を分けるための第1段階です。

亡くなった方が遺言書を残しておいてくれていれば、裁判所に検認を求めて遺言書のとおりに遺産を分ければOKです。しかし、その場合でも法定相続人の中には遺留分を有する人がいますので、法定相続人を調査しなければいけません。

法定相続人を調査するには次のことをします。

1 亡くなった方の戸籍謄本を取得

亡くなった方の戸籍謄本を出生から死亡まですべて取得します。本籍地の市役所へ交付を申請します。戸籍謄本には、現行の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本があります。

交付の申請書の欄外などに“出生から死亡までのすべての戸籍謄本”と書いておくと、係の方が用意をしてくれます。全てが揃わない場合には従前の本籍地のある市役所へ同じように交付申請をします。戦災などで失われている場合には滅失証明書をもらいます。

本籍地がわからない場合には、住所地の市役所で住民票(本籍地の記載あり)を取って本籍地を調べます。

2 亡くなった方の戸籍謄本の読み込み

亡くなった方の戸籍謄本を読みます。現行の戸籍謄本は活字ですのでとても読みやすいですが、改製原戸籍謄本は手書きの文字なので場合によっては読めないこともあります。また、地名などが変わっていてよく分からない場合もあります。交付をした役所に問い合わせるなどして、出生から死亡まで連続していることを確認してください。

3 法定相続人の確定

連続していることが確認出来たら、法定相続人になる人を選び出します。配偶者、子、兄弟姉妹、父母などです。だれが法定相続人になるのかは以前の記事“相続人って誰?”をご参照ください。

必ず法定相続人になるのは、配偶者と子です。子がいない場合には父母(直系の祖先)が法定相続人になります。子も父母(直系の祖先)もいない場合には兄弟姉妹が法定相続人になります。配偶者は常に法定相続人です。

子はおらず、父母(直系の祖先)がすでに亡くなっている場合は、兄弟姉妹を探します。兄弟姉妹も亡くなっている場合には、兄弟姉妹の出生から死亡までの戸籍謄本を取得して甥・姪を探します。

ここまで調べると法定相続人がわかります。

 

 

| 遺産の調査

 

次に亡くなった方の財産を調査します。たとえば、次のようなものを探します。

・預金通帳、貯金通帳

・現金

・株式

・投資信託

・不動産

・車

などです。

不動産は所有者に対して毎年、市ごとに固定資産税通知書が届きますので、それを探してください。不動産が見つかったら市へ名寄せを依頼して他の不動産がないかを確認します。

遺産が見つかったら表にして整理をしておきます。

 

 

| 遺産分割協議書の作成

 

相続人間で遺品整理の意見が分かれている場合には、遺産分割協議をします。誰が何を相続するのかを法定相続人で話し合います。話がまとまったら遺産分割協議書を作成して、法定相続人全員の実印を押します。

行方不明者がいる場合には、不在者財産管理人が行方不明者に代わって手続きをします。この場合には、遺産分割協議書に帰来時弁済をすることを記載しておくことをおすすめします。帰来時弁済については改めて書きたいと思います。

 

 

| まとめ

 

1 相続の手続きは大きく5段階!

2 場合によっては相続人の調査が最も大変!?

3 行方不明者がいる場合には家庭裁判所へ!



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