【行政書士試験】2021年度 試験問題の振り返り(第6問)

毎年、行政書士試験の問題を検討しているのですが、今年は何かとバタバタしておりまだ試験問題すら見ておりませんでした。

合格発表が近くなっているこの時期です。受験生の皆様はワクワクドキドキの時期も過ぎて落ち着いているかと思います。では、令和3年度行政書士試験を見てみたいと思います。今回も引き続き択一問題を見ていきます。

 

 

| 択一式 第6問(憲法)

 

選択式に引き続いて、択一式の問題も掲載しません。行政書士試験の問題は、一般財団法人行政書士試験研究センターのサイトにありますので、気になる方は各自ダウンロードしてください。PDFファイルで約570KB程度のサイズです。

第6問は憲法41条の国会中心立法の原則と国会単独立法の原則の理解を問う問題です。

国会中心立法の原則は、原則として国会を通して立法を行わなければいけないという意味です。例外は、議員の規則制定権、政令、最高裁判所の規則制定権などです。

国会単独立法の原則は、国会による立法は国会以外の機関の参与を必要とせずに成立するという原則です。例外は、地方特別法の住民投票、憲法改正の国民投票などです。

では、それぞれの肢を見てみます。

【肢1】

誤りです。内閣の法案提出権は否定されていません。また、国会への法案提出権を認めたとしても国会を通して立法が行われていますので、これを否定することが国会中心立法の現れだとは言えません。逆に、議員立法の活性化は国会単独立法の原則の現れですが、憲法の“唯一の”の意味と言われると違うと思います。

【肢2】

誤りです。国権の最高機関は確かに国会ですが、“唯一の”(憲法41条)とは関係がありません。また、内閣の独立命令(政令)は国会単独立法の原則の例外として認められています。政令を禁止することは国会単独立法の原則を強化するものだと思います。

【肢3】

誤りです。国会の議決のみで法律が成立することは国会単独立法の原則を表しています。天皇による公布は国会単独立法との関連事項であって、国会を通して立法が行われるという国会中心立法とは関係がありません。

【肢4】

妥当です。国会が立法権を独占することはまさに国会中心立法の原則そのものです。また、国会の議決のみで法律が成立することは国会単独立法の原則そのものです。

【肢5】

誤りです。国会は国権の最高機関ですが、“唯一の”(憲法41条)とは関係がありません。また、立法権の委任と国会単独立法の原則は関係がありません。どちらかといえば、国会を通して立法が行われるという国会中心立法の原則と関係があります。

 

 

| まとめ

 

1 国会中心立法と国会単独立法は例外も含めて理解を!

2 現に認められているものを禁止するという肢は誤り!

3 憲法41条には“国権の最高機関”と“唯一の立法機関”の意味に注意!



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