みなさんはマイナンバーカードをお持ちでしょうか。新型コロナウイルス感染症の蔓延による支援金等の給付申請の場面では、個人事業者ご本人の身分証明書が必要になります。このときに、最近の若い方には運転免許証を持っておられない方もいらっしゃいます。そのようなときに住民票を取得したりパスポートを用意したりと面倒なことになりかねません。また、保険証としても使えるようにするという話もあります。
このようなマイナンバーカードの情報が漏洩はどのような場合に起こるのでしょうか。前回に引き続きマイナンバー関連です。今回は罰則について書きます。
| マイナンバー法による罰則
マイナンバー法では特定個人情報を漏洩した場合の罰則規定があります。情報を漏洩した個人だけでなく会社も罰則を受ける両罰規定もあります。
1 行政機関などの職員
行政機関などの職員による漏洩に対しての罰則規定です。3つあります。
(1)情報連携や情報提供ネットワークシステムの運営に従事する者、従事していた者
情報連携や情報提供ネットワークシステムの業務を遂行する上で知りえた秘密を漏らしたり盗用したりした場合に、3年以下の懲役または150万円以下の罰金に処せられます。
(2)国、地方公共団体、地方公共団体情報システム機構などの役職員
これらの機関の役職員が職権を乱用して、職務以外の目的で、個人の秘密に属する特定個人情報が記録された文書などを収集した場合に、2年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。
(3)特定個人情報保護委員会の委員長、委員、事務局職員
これらの者が職務上知ることができた秘密を漏らしたり悪用したりした場合に、2年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。
2 民間事業者・個人
(1)個人番号利用事務、個人番号関係事務などに従事する者、従事していた者
正当な理由なく、業務で取り扱う個人の非六つが記録された特定個人情報ファイルを他人に提供すると、4年以下の懲役または200万円以下の罰金に処せられます。
また、業務に関して知りえた個人番号を自己や第三者の不正な利益を図る目的で提供したり盗用したりした場合は、3年以下の懲役または150万円以下の罰金に処せられます。
(2)誰でも
詐欺、暴行、強迫、財物の奪取、施設への侵入、不正アクセス行為などにより個人番号を取得した場合は、3年以下の懲役または150万円以下の罰金に処せられます。
また、欺罔や不正の手段で通知カードまたは個人番号カードの交付を受けた場合には、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
(3)特定個人情報の取り扱いに関して法令違反をした者
特定情報保護委員会の命令に違反した場合には、2年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
(4)特定個人情報保護委員から報告・資料提出の求め、質問、立ち入り検査を受けた者
特定個人情報保護委員会へ虚偽の報告をしたり、虚偽の資料を提出したり、答弁や検査を拒否したり、検査を妨害したりした場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
| まとめ
1 行政機関や職員は罰則の対象!
2 民間企業や個人も罰則対象に!
3 犯罪を犯して個人番号を取得すると新たな罪に!