行政書士には外国人の入国・滞在を手助けする業務があります。外国人や代理人の代わりに入管当局へ出頭したり書類を作成して提出したりします。この業務は入管当局に登録された弁護士か行政書士しか行うことができません。
ただ、行政書士の場合、入管当局に登録されるためには業界内の研修会に参加をして試験に合格しなければいけません。
そこで、入管業務を行うための申請取次研修会について書きたいと思います。内部事情もちらほら出てくるかも…。今回は第23回です。
| 永住許可申請
永住許可申請は、外国人が日本での永住を求める場合に申請する許可申請です。
法務大臣は、在留資格を変更しようとする外国人で永住者の在留資格への変更を希望する者から申請があった場合には、一定の要件をクリアし、日本国の利益になると認めたときに限って許可することができます。
一定の要件は3つです。
1 素行が善良であること(素行善良要件)
2 独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること(独立生計要件)
3 日本の利益に合うこと(国益要件)
まずは、一般の方などの原則的な要件からご紹介します。
<一般の方>
(1)在留要件
引き続き10年以上日本に在留していること。ポイントは“引き続き”と“10年”です。一時的に日本を離れる海外旅行や海外出張を除いて、10年以上の間ずっと日本に滞在していなければいけません。
(2)素行善良要件
(3)独立成型要件
(4)国益要件
先ほど、“引き続き10年以上日本に在留”という要件がありましたが、さらに条件が追加されています。“引き続き10年”のうち、就労資格または居住資格をもって引き続き5年以上日本に滞在していなければいけません。“引き続き10年以上滞在”かつ“就労・居住資格で引き続き5年以上滞在”が要件になります。
また、罰金刑や懲役刑を受けていないこと、納税や医療保険料の納付などの公的義務を適正に履行していることもあります。
さらに、今持っている在留資格で最長の在留期間をもって日本に在留していることという要件もあります。これは結構重要です。
加えて、法定伝染病や麻薬などの中道苦患者でなく公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと、著しく公益を害する行為をするおそれがないと認められること、公共の負担になっていないことという条件があります。
箇条書きにしますと、
・引き続き10年以上、かつ、就労・居住資格で引き続き5年以上日本に滞在
・罰金刑や懲役刑を受けていないこと
・納税などの公的義務を適正に履行していること
・今の在留資格で最長の在留期間の許可を受けていること
・公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと
・著しく公益を害する行為をするおそれがないと認められること
・公共の負担になっていないこと
以上の7点です。これ7つの要件は、一般の方以外のすべての人に当てはまります。
| まとめ
1 永住許可にはいくつもの要件がある!
2 基本は素行善良要件、独立生計要件、国益要件の3つ!
3 国益要件は細かく7つに分かれる!