行政書士には外国人の入国・滞在を手助けする業務があります。外国人や代理人の代わりに入管当局へ出頭したり書類を作成して提出したりします。この業務は入管当局に登録された弁護士か行政書士しか行うことができません。
ただ、行政書士の場合、入管当局に登録されるためには業界内の研修会に参加をして試験に合格しなければいけません。
そこで、入管業務を行うための申請取次研修会について書きたいと思います。内部事情もちらほら出てくるかも…。今回は第22回です。
| 在留資格変更許可申請
在留資格変更許可申請は、在留資格を持っている外国人が在留資格を変更するときに行う許可申請です。
こちらも他の許可申請と同じで、法務大臣が在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当な理由があるときに限って認められる許可になります。いわゆる法務大臣の自由裁量というものになります。
ですから、変更許可申請に定型的な必要書類は申請書以外にありません。許可を申請した在留資格の該当性や基準適合性に適合したからと言って、必ず許可が出るというものではありません。総合的に審査されます。入管当局が提出を求めた書類を提出できないときは許可が出ないものと思ってください。
たとえば、卒業する留学生の就職が決まったときに留学から就労可能な在留資格に変更するために申請をしたとしても、学生時代に一定時間を超えてアルバイトをしていたことが判明すれば、素行が不良であるとして在留資格の変更が許されない可能性があります。
ただし、基本的に許可が出ない申請もあります。それは“短期滞在”の在留資格から他の在留資格へ変更をする申請です。“短期滞在”からの在留資格変更は、やむを得ない特別な事情に基づくものでなければ認められません。
| 在留期間更新許可申請
在留期間更新許可申請は、在留資格を持っている外国人が今の在留資格のままで在留期間を更新するときに行う許可申請です。
こちらも在留資格変更許可申請と同じで、法務大臣の自由裁量です。ですので、法務大臣が在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当な理由があるときに限って認められる許可です。
更新許可申請の受付期間は、在留期限3か月前から期限当日までです。1日でも期間を徒過した場合には、以後の在留は超過残留になってしまいます。
ただし、在留期限が行政機関の休日に当たる場合には次の開庁日まで申請が可能です。この場合に注意しなければいけないのは、いくら行政機関が休日で更新許可申請が事実上不可能だとしても、在留期間を過ぎて日本に滞在している事実には変わりありません。ですので、たとえば、警察官による職務質問を受けた時などには不法滞在の嫌疑をかけられるおそれがあります。早めに更新許可申請をされることをおすすめします。
| まとめ
1 在留資格変更許可申請は短期滞在からは基本的にダメ!
2 在留期間更新許可申請は1日でも期間を徒過すると不法滞在!
3 どちらの許可申請も申請をしても許可されない可能性がある!