行政書士には外国人の入国・滞在を手助けする業務があります。外国人や代理人の代わりに入管当局へ出頭したり書類を作成して提出したりします。この業務は入管当局に登録された弁護士か行政書士しか行うことができません。
ただ、行政書士の場合、入管当局に登録されるためには業界内の研修会に参加をして試験に合格しなければいけません。
そこで、入管業務を行うための申請取次研修会について書きたいと思います。内部事情もちらほら出てくるかも…。今回は第19回です。
| 退去強制の条件
前回の記事からかなり間が空いていますが、今回は退去強制の条件について書きたいと思います。
退去強制は、日本に在留していますが退去強制事由に該当する外国人を日本から強制的に退去させることを言います。いわゆる強制退去です。専門的には“退去強制”と言います。
退去強制事由には次のものがあります。
1 不法入国者
2 不法上陸者
3 在留資格を取り消された者
4 在留資格の取消によって出国指定期間を過ぎた者
5 上陸手続きや在留手続で偽造・変造・虚偽文書行使などを行った者とそれを教唆・ほう助した者
6 公衆等強迫目的の犯罪行為などのおそれがある者
7 国際約束によって日本への入国を防止すべき者とされている者
8 不法就労助長行為をした者とそれを教唆・ほう助した者
9 日本の社会に害をもたらす行為をした者
10 刑事法令の違反者(身分系在留資格者を除く)
11 国際競技会などで不法行為を行った者
12 仮上陸条件の違反者
13 上陸審査での退去命令に違反した者
14 特例上陸許可による上陸期間を過ぎた者
15 国籍離脱や出生による在留期間を過ぎた者
16 出国命令による出国期限を過ぎた者
17 出国命令を取り消された者
18 難民認定を取り消された者
たくさんありますね。全部で18もあります。細かく書けばもっと多くに分類できますが、大雑把に言ってもこれだけあります。
ここに“出国命令”というのが出てきますが、退去強制と出国命令は異なります。出国命令の方が軽い処分です。
退去強制処分になると日本への再入国はかなり難しくなります。出国命令の場合には、状況によっては日本への再入国をすることができます。再入国までの期間も違いますしね。
退去強制と出国命令については、総務省の出入国在留管理庁のサイトに案内のページがあります。これを全部読むのは大変だと思いますが、興味のある方は読んでみてください。
| まとめ
1 退去強制は強制的に日本から退去させること!
2 退去強制事由は大きく18種類!
3 出国命令は退去強制よりも軽い処分!