行政書士には外国人の入国・滞在を手助けする業務があります。外国人や代理人の代わりに入管当局へ出頭したり書類を作成して提出したりします。この業務は入管当局に登録された弁護士か行政書士しか行うことができません。
ただ、行政書士の場合、入管当局に登録されるためには業界内の研修会に参加をして試験に合格しなければいけません。
そこで、入管業務を行うための申請取次研修会について書きたいと思います。内部事情もちらほら出てくるかも…。今回は第15回です。
| 定住者の告示定住
前々回の記事“【申請取次】申請取次研修会に参加! ~その13~”でも書きましたが、定住者には“告示定住”と“告示外定住”があります。
告示定住は、告示で一定の類型を定めてあるもので、告示に該当する場合に入国や在留を認める制度です。
前回に引き続き、今回も告示定住の要件についてわかりやすく書くことに挑戦します。
1~5までは前回の記事で書きましたので、前回の記事“【申請取次】申請取次研修会に参加! ~その14~”をご参照ください。
1 日本人の子として出生した人の実子で、素行が善良である人(いわゆる3世など)
2 日本人の子として出生した人で、かつて日本国民として日本に本籍を有したことがある人の実子の実子(実孫)で、素行が善良である人(いわゆる3世)
3 日本人の配偶者などの在留資格で日本に在留する人で、日本人の子として出生した人の配偶者
4 1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格で在留する人の配偶者
5 1年以上の在留期間を指定されている上記1または2の定住者の配偶者で、素行が善良な人
今回は6から図で示します。
6 日本人、永住者、特別永住者の扶養を受けて生活する未成年かつ未婚の実子
こちらもそのままですね。一応、図で示しておきます。
7 1年以上の在留期間を指定されている定住者の扶養を受けて生活する未成年かつ未婚の実子
こちらは上の6とほぼ同じです。図で示しておきます。
8 上記の1、2、5の定住者として上陸許可、在留資格変更許可、在留資格取得許可を受けた人で、1年以上の在留期間を指定されている定住者の扶養を受けて生活する未成年かつ未婚の実子で、素行が善良な人
こちらは7とほぼ同じです。定住者を取得した要件が上記1、2、5に限定されているだけです。ただ、“素行が善良”という要件が加わっています。
9 日本人、永住者、特別永住者、1年以上の在留期間をしてされている定住者の配偶者で、日本人の配偶者などまたは永住者の配偶者などの在留資格で在留する人の扶養を受けて生活する未成年かつ未婚の実子
上の6とほぼ同じですが、少し異なっています。
図で示します。
10 日本人の扶養を受けて生活する6歳未満の養子
これもそのままです。ポイントは“6歳未満の養子”の部分ですね。
11 永住者の扶養を受けて生活する6歳未満の養子
こちらは上の10の永住者バージョンです。
12 1年以上の在留期間をしてされた定住者の扶養を受けて生活する6歳未満の養子
こちらは上の10の定住者バージョンです。
13 特別永住者の扶養を受けて生活する6歳未満の養子
こちらは上の10の特別永住者バージョンです。
14 中国残留邦人親族など
これは特殊ですので図は省略します。
以上、定住者の告示定住を見てみました。以外に広いと思われたのではないでしょうか。日本人や永住者だけでなく、定住者の子も定住者の要件を満たすことがあります。
身分系の在留資格を考えておられる方は、永住者だけでなく定住者の取得要件も確認してみてはいかがでしょうか。
| まとめ
1 扶養を受けている未成年&未婚者も定住者の対象!
2 永住者や定住者の養子も定住者の対象!
3 定住者の対象は意外に広い!