外国人が日本で仕事をするような場合などは、出入国在留管理局へ申請をすることがあります。原則的に在留を希望する外国人が自ら出入国在留管理局に出頭して手続をする必要があります。
この手続を代わりに行うのが申請取次行政書士です。申請取次行政書士に申請依頼をすると、申請人である外国人本人は出入国在留管理局への出頭が免除されます。
今回は申請取次行政書士について書きたいと思います。
| 申請取次行政書士になるには
申請取次行政書士になるには、行政書士に登録されている人が行政書士会の行う講習に出席をして試験に合格しなければいけません。講習は新規に登録を希望する行政書士が受講するものと登録の更新を希望する行政書士が受講するものの2種類があります。新規用を“事務研修会”、更新用を“実務研修会”と呼んでいます。
2021年度は事務研修会が2回、実務研修会が4回行われる予定になっています。新規用の事務研修会が少ないように思われますが、2021年度はちょっと特別なのです。
| 研修会って何をするの?
研修会では出入国在留管理局の職員などの講習を受けます。テキストも配られて意外に(?)本格的です。研修後の試験も入れると、朝から晩まで缶詰めになります。昼食もお弁当が配られます。外出をする必要がありませんので文字通りの缶詰です。
会場は、東京、大阪、名古屋、広島、仙台など全国で行われます。受講費は新規が30,000円、更新が15,000円です。かなり高いですね。会場を借りる費用と講師の方への日当が高くついていそうです。
| 2021年が特別って?
さきほど、2021年度はちょっと特別と申し上げましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で会場での研修会が中止になりました。実は、2020年度も会場での研修会は行われませんでした。ですので、2020年度の新規の申請取次行政書士は0人です。
2021年度も研修会が中止になったままだと困る行政書士が多いのか、2021年度はビデオ講習が行われることになっています。更新ができないと申請取次の仕事ができませんので…。研修会が中止になって更新ができない行政書士は、理由書を提出して2021年度中の実務研修会に参加すればOKという処置がとられました。
事務研修会は、6月後半と12月末の2回。実務研修会は、4月半ば、8月後半、10月後半、2月前半の4回です。講習を受けるには1か月以上前から申し込みをしなければいけません。申込期間は10日間設けられています。
ところが、この申し込みがやっかいなのです。先着順で受け付けられるのですが、たとえば8月の実務研修会は1~2日で申込者数が定員の850人を上回ってしまいました。多くの受講希望者が受講できない状態になってしまったのです。
理由書を提出したとしても2021年度中に受講できないと更新が取り消されます。更新が取り消されると申請取次の仕事ができません。申請取次の仕事が多い行政書士にとっては死活問題です。
このような問題に対応するため、受講できない行政書士に対して何らかの措置を検討しているそうです。さて、どうなるのでしょうか。
| まとめ
1 申請取次ができるのは一部の行政書士だけ!
2 講習の受講と試験の合格で申請取次行政書士に!
3 2021年度はビデオ講習だけどすぐに定員越えに!