【外国人】不法残留と不法在留って違うの? その2

外国人の不法残留(オーバーステイ)のニュースはあまり聞かれなくなりました。しかし、出入国在留管理庁によりますと、2021年1月1日現在で8万人以上の不法残留者がいるとのことです。

どのようなことをすると不法残留になるのでしょうか。今回は、前回に引き続き不法残留と不法在留について書きたいと思います。

 

 

| 不法在留したらどうなるの?

 

以前の記事“不法残留と不法在留って違うの? その1”にも書きましたが、不法残留と不法在留の違いは“上陸・入国時に違法だったかどうか”です。上陸・入国時に違法だった場合は“不法在留”、上陸・入国時に適法だった場合は“不法残留”です。

上陸・入国時にすでに不法だった“不法在留”だった場合はどうなるのでしょうか。

不法残留の場合には退去強制と出国命令の2つの手続きがありました。不法在留の場合には退去強制しかありません。

退去強制の手続きは次のようになります。

退去強制は、警察署や出入国在留管理庁に出頭するか逮捕されるかが手続の始まりです。

(1)出頭・逮捕

(2)取り調べ

(3)収用

(4)処分(退去強制など)

退去強制になると最低5年間は日本に入国することはできません。5年以上経った後でも入国できるかどうかは分かりません。

また、3年以下の懲役・禁固、300万円以下の罰金に処せられます。

 

 

| 不法在留罪は新しい罪

 

不法残留でも不法在留でも罰則があります。3年以下の懲役・禁固、300万円以下の罰金です。不法残留罪は以前からありましたが、不法在留罪は2000年ごろに新しく作られた罪です。

不法在留罪が新設されたのは、不法入国者を時効で起訴できないケースが増えたからだと言われています。

不法在留は上陸・入国時に違法です。その後の滞在も違法です。不法在留罪が新設されるまでは、不法入国として上陸や入国時の違法行為が罪になっていました。上陸や入国のときの違法はそのときから時効が進んでしまいます。不法残留は在留期間が切れたときから違法です。日本に残留している限り時効は進みません。

この違いで不法入国者を起訴できなくなっていたようです。

 

 

| 違法状態なのになぜ時効が進むの?

 

不法入国は時効が進んで、不法残留は時効が進まない。なぜでしょうか。

1 不法入国=状態犯

不法入国は“状態犯”だと言われています。状態犯は、犯罪が既遂になった時点で終了しますがその後も違法状態が続きます。ただ、既遂後の違法状態はすでに犯罪の中に取り入れられているのです。

たとえば窃盗罪が状態犯です。他人のモノを盗むと窃盗罪になりますが、盗んだモノをそのまま持っていても新たな罪にはなりません。盗んだモノを盗人が持っているのは窃盗罪の中に取り入れられているからです。窃盗罪は、他人のモノを盗んでそのまま持っておく罪です。この場合は、盗んだ時点で窃盗罪は既遂になり、時効は進行します。

不法入国も同じです。不法に入国した時点で既遂になり、違法状態が続いていたとしても時効が進行していきます。

2 不法残留=継続犯

不法残留は“継続犯”だと言われています。継続犯は、犯罪が既遂になった時点で終了しますがその後も違法状態が続きます。この点は“状態犯”と同じですね。違いは違法状態が継続している間ずっと犯罪が続いているとされていることです。

たとえば監禁罪が継続犯です。他人を監禁すると監禁罪になりますが、監禁している間じゅう犯罪行為が続いています。違法に監禁すること自体が犯罪ですから、監禁をしていれば犯罪が続いているのです。

不法残留も同じです。不法に残留している間じゅう犯罪が続いています。犯罪が続いているのですから時効は進行しないのです。

 

違法の度合いが高いと思われる不法入国+不法滞在よりも、違法の度合いが低いと思われる不法滞在だけの方が罰せられるケースが多くなっていました。

このような不都合を回避するために不法在留罪が新設されて、不法入国+不法滞在も不法残留と同じように罰せられることになりました。

 

 

| まとめ

 

1 不法在留の場合は退去強制だけ!

2 犯罪が続いているかどうかで時効が変わる!

3 不都合を回避するために不法在留罪を新設!



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