行政書士試験の振り返り 問題4・6

2020年も11月8日(日)に行政書士試験が行われました。合格発表は2021年1月27日(水)です。合格発表まであと少しですね。受験された方は解答速報でおおよその自己採点ができているかと思います。気が気でない方もいらっしゃるでしょう。

そこで、2020年の行政書士試験の問題を振り返ってみたいと思います。記述式が終わりましたので、択一式の問題を考えていきます。著作権に引っかかる問題は除外します。今回は憲法です。

 

 

| 問題4 正解肢5

 

表現の自由に関する問題です。事前抑制、内容規制、内容中立規制などについて問われています。

肢1 内容規制の意味

表現の内容規制は、表現内容に注目して表現がどのような目的でどのような効果を狙っているのかなどを判断することで、規制が必要な場合に表現行為を規制するものです。人権の制約が大きく、かなり厳しい規制になります。問題文にあるように、“ある表現が伝達しようと知るメッセージを理由とした規制”で、国家転覆の煽動文書、国家機密の公表など対象になります。

肢2 内容規制の限界

表現内容を規制する場合であっても、表現に高い価値がある場合には規制ができないこともあります。高い価値がない場合には規制の違憲性は緩やかに審査されて合憲になりやすくなります。営利目的や人種差別の表現などが該当します。

肢3 内容中立規制の意味

内容中立規制は、表現をする時・場所・方法などに注目して表現内容自体に関係なくされる規制です。騒音や選挙運動の制限などが該当します。

肢4 事前抑制

検閲は絶対的に禁じられるなど、原則として表現行為の事前抑制は許されません。ただし、裁判所による事前差止は許されることがあります。裁判所による事前差止は検閲ではありません。

肢5 規制文言の漠然不明確・過度に広範

規制の文言の内容が一義的に決まらず一般的にみて漠然としている場合や規制がその目的に照らして過度に広範に行われる場合は、規制が無効とされることがあります(文面審査)。ただし、裁判所が文言を限定的に解釈して合憲とすることもあります(合憲限定解釈)。

 

 

| 問題6 正解肢5

 

衆議院の解散に関する問題です。

肢1 衆議院の解散選挙

衆議院議員の総選挙では、任期満了による場合と解散の場合があります。憲法では、任期満了による選挙について明文で規定されています。しかし、実際には憲法上内閣に解散権があることから解散による総選挙も行われます。ほとんどの衆議院議員総選挙は、解散による総選挙です。

肢2 解散の合憲性の司法審査

内閣による衆議院の解散は高度に政治的な行為です。このような行為には司法審査は及びません。たとえ一見極めて明白に違憲無効と認められる場合であっても、司法審査は及びません。

肢3 投票価値の不均衡

衆議院議員選挙では投票価値の不均衡が問題になります。違憲、違憲状態、合憲などと判断されます。違憲状態にある場合のまま放置されていても内閣の解散権は制約されないと言われています。実際にも違憲状態が是正されないまま行われた解散もあります。

肢4 内閣の解散権と天皇の国事行為

内閣は、内閣不信任案を可決されたり信任案を否決されたりしたときは衆議院を解散することができます。この場合であっても、衆議院議員選挙の公示は内閣の助言と承認により天皇が行います。

肢5 天皇の国事行為と解散の宣言

内閣に解散権があることは憲法には書かれていません。内閣の解散権は、天皇の衆議院解散の宣言を行う際に内閣の助言と承認が必要であることから認められています。しかし、天皇の国事行為は形式的・儀礼的なものです。この点を強調すると、天皇による衆議院の解散の宣言が内閣の助言と承認によって行われるからと言って、それは形式的・儀礼的な行為にすぎないのだから、憲法上当然に内閣に解散権が認められると考えることはできません。

 

 

| まとめ

 

1 内容規制、内容中立規制は理解が大切!

2 検閲と事前抑制の違いは明確に理解!

3 内閣の解散権の根拠は憲法上にない!?



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