宅建士試験の振り返り(2020年度10月)問43・44

2020年の宅地建物取引士試験は、新型コロナウイルス感染症への対応のため例年と異なる試験形態になってしまいました。都市圏では受験会場が確保できなかったため、10月の試験を受験できない受験生がいます。2020年は10月と12月の2回、試験が行われることになりました。

前回から引き続き2020年10月試験の問題を振り返ってみたいと思います。今回は、宅建業法の免許と重要事項説明書です。

 

 

| 2020年10月試験 宅建業法

 

1 問43 正解肢2

宅建業免許に関する問題です。

肢1 取締役の執行猶予と免許取得

取締役も欠格事由の対象です。刑法の罪で懲役刑を受けていますので、欠格事由に該当します。執行猶予の場合、執行猶予期間が終了すればすぐに免許の取得が可能です。

肢2 個人事業主の死亡と相続人

個人事業主の死亡によって相続人が相続をしますが、宅建業の業務についても死亡前に契約をしていた事案は取引完了まで相続人が業務を受け継ぎます。このことは、廃業の場合でも有効期間の満了の場合でも免許の取消の場合でも同じです。たとえば、免許取消前に契約をしていた事案については、免許取後であっても取引完了まで業務を行うことができます。

肢3 業者の破産手続と廃業届

破産手続開始の決定があった場合、廃業届を提出するのは破産管財人です。また、廃業の届出がなされた日に免許の効力がなくなります。

肢4 取締役の破産手続と免許取得

取締役に破産手続開始の決定があった場合、復権を得ていないことが欠格事由に該当します。復権を得た場合には翌日から免許を取得することができます。

2 問44 正解肢4

重要事項説明の内容に関する問題です。

肢1 耐震診断の説明

耐震診断を受けた場合には、売買でも賃貸でも重要事項として説明します。

肢2 契約終了後の清算金

敷金など契約終了後に清算する金銭がある場合には、清算に関することを重要事項として説明しなければいけません。

肢3 信託の受益権

信託はマニアックな箇所です。過去問でもあまり問われていないのではないでしょうか。信託受益権の場合には、通常とは異なり、取引相手が宅建業者であっても重要事項を説明しなければいけませんし重要事項説明書を交付しなければいけません。

肢4 マンションの修繕積立金の積立額

修繕積立金が規約で定められている場合には、規約の内容だけでなく修繕積立金額の積立額や滞納額を説明しなければいけません。

 

 

| まとめ

 

1 執行猶予は期間終了後すぐ免許取得可!

2 破産しても復権を得ればすぐに免許取得可!

3 修繕積立金は積立額と滞納金の説明が必要!



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