宅建士試験の振り返り(2020年度10月)問21・22

2020年の宅地建物取引士試験は、新型コロナウイルス感染症への対応のため例年と異なる試験形態になってしまいました。都市圏では受験会場が確保できなかったため、10月の試験を受験できない受験生がいます。2020年は10月と12月の2回、試験が行われることになりました。

前回から引き続き2020年10月試験の問題を振り返ってみたいと思います。今回は農地法と国土利用計画法になります。

 

 

| 2020年10月試験 農地法・国土利用計画法

 

1 問21 正解肢1

農地法2条1項の許可と農地転用についての問題です。農地転用の問題は試験でも必須知識ですし、実務でも必須知識です。都心部でも意外に農地が存在します。

肢1 3条1項の許可なしの売買契約

3条の許可を受けずに売買契約をしても無効です。所有権の移転である5条でも同じです。

肢2 農地の駐車場への転用

4条の自己転用では市街化区域内の特例があります。この特例では予め農業委員会に届出をすればいいことになっています。農地転用後の届出ではありません。

肢3 相続での農地取得と許可

相続、遺産分割、包括遺贈、相続人への特定遺贈の場合には、許可は必要ありません。農業委員会の届出でOKです。

肢4 抵当権設定と許可

3条の許可が必要な“権利”には、所有権、地上権、永小作権、質権、賃借権、使用借権があります。抵当権は“権利”にあたりません。農地を使う人が変わっているかどうかで違いが出ます。所有者と使用者が同じ場合には許可は必要ありません。

2 問22 正解肢1

国土利用計画法の事後届出に関する問題です。届出が必要かどうかの見極めは3つあります。(1)土地売買契約か否か、(2)届出が不要な契約か否か、(3)届出が不要な面積か否かの3つです。数字は丸暗記しましょう。

肢1 事後届出が必要な売買

市街化区域内の1,500㎡の売買契約は、売買契約にあたりますが、届出不要な契約ではありません。しかし、市街化区域の売買は2,000㎡以上が対象です。ですから、事後届出は不要です。

市街化調整区域内の6,000㎡の売買契約の予約は、売買契約にあたりますが、届出不要な契約ではありません。また、市街化調整区域での売買予約は5,000㎡以上が対象です。ですから、事後届出は必要です。

肢2 売買と事後届出

市街化区域内の2,000㎡の土地の売買は、売買契約にあたりますが、届出不要な契約ではありません。また、市街化区域内では2,000㎡以上が対象ですので、事後届出が必要です。事後届出は契約締結後2週間以内にしなければいけません。所有権移転登記後2週間以内ではありません。

肢3 贈与と事後届出

都市計画区域外の15,000㎡の贈与は、売買契約にあたりません。ですから、事後届け出は必要ありません。

肢4 交換と事後届出

都市計画区域外の10,000㎡の交換は、売買契約にあたりますが、届出不要な契約ではありません。また、都市計画区域外では10,000㎡以上が対象ですので、事後届出が必要です。市街化調整区域では5,000㎡以上が対象ですので、こちらも事後届出が必要です。

 

 

| まとめ

 

1 農地転用は試験でも実務でも必須の知識!

2 国土利用計画法では面積要件以外にも注意!

3 2,000、5,000、10,000の数字は丸暗記!



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