宅建士試験の振り返り(2020年度10月)問23・24

2020年の宅地建物取引士試験は、新型コロナウイルス感染症への対応のため例年と異なる試験形態になってしまいました。都市圏では受験会場が確保できなかったため、10月の試験を受験できない受験生がいます。2020年は10月と12月の2回、試験が行われることになりました。

前回から引き続き2020年10月試験の問題を振り返ってみたいと思います。今回から税金の話になります。今回は印紙税と不動産取得税です。

 

 

| 2020年10月試験 印紙税・不動産取得税

 

1 問23 正解肢3

印紙税の不課税文書と非課税文書を問う問題です。不課税文書は印紙税法に載っていない文書です。そもそも印紙税の課税対象になっていない文書です。もう一つの非課税文書は印紙税法で課税文書とされているけれども一定の理由で課税されない文書です。

肢1 消費税と印紙税

請負契約書は課税文書です(2号文書)。契約書に消費税額がはっきりとわかるように記載されている場合には、消費税は記載金額に含まれません。ですから、本肢の場合には消費税額100万円を除いた1,000万円が記載金額になります。

肢2 交換契約の課税標準金額

不動産の交換契約書は課税文書です。交換物件の双方の価格の記載がある場合には、高い方の金額が記載金額になります。ですから、本肢の場合には5,000万円が記載金額です。

肢3 国の作成した文書

不動産の売買契約書は課税文書ですが、国の作成した文書は非課税文書です。C社が保有する契約書は国が作成した契約書ですから非課税文書です。国の保有する契約書はC社が作成した契約書ですから課税文書です。

肢4 土地の賃貸借契約の印紙税額

土地の賃貸借契約書は課税文書です。賃貸借契約書の記載金額には、後日相手方に返還することが予定されている金銭は含みません。賃料は相手方に返還する予定はありませんが、使用対価ですので記載金額にはなりません。本肢での記載金額は権利金の100万円だけです。ちなみに、建物の賃貸借契約書は不課税文書です。

2 問24 正解肢4

不動産取得税の課税対象や税率などに関する問題です。

肢1 不動産取得税の税率

不動産取得税率は大きく土地と建物に分かれていて、建物はさらに住宅と住宅以外に分かれています。土地は住宅用か住宅用以外かによる区分はありません。土地は本来4%、軽減税率3%、建物(住宅)は本来4%、軽減税率3%、建物(住宅以外)は本来4%で軽減税率はありません。この特則とは異なりますが、住宅用の土地は固定資産税評価額を1/2にした金額の3%になります。実質1.5%ですね。

肢2 狭小不動産と不動産取得税(免税点)

不動産取得税の免税点は代金で決められています。面積ではありません。土地の取得の場合には10万円未満、家屋で建築に係るものは23万円未満/戸、家屋で建築に係わらないものは12万円未満/戸です。

肢3 改築と不動産取得税

家屋を改築した場合には、増加した家屋の価格に対して不動産取得税が課せられます。

肢4 共有物の分割と不動産取得税

不動産取得税が課税されるのは、たとえば売買、交換、贈与など有償無償を問わず実質的に不動産を取得した場合です。相続や法人の合併、共有物の分割など形式的に不動産を取得の場合には、不動産取得税は非課税です。

 

 

| まとめ

 

1 印紙税は不課税文書と非課税文書をしっかり区別!

2 印紙税の課税文書の記載金額は要チェック!

3 不動産取得税の免税点は価格で決まる!



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