数年前から話題になっている“受動喫煙”。健康増進法が改正されて、2020年4月から原則として屋内禁煙が義務化されています。職場での受動喫煙を防止するための対策を行うときは、費用の一部が“受動喫煙防止対策助成金”として支援されます。
今回は受動喫煙防止対策助成金の注意点と厚生労働省の支援について書きたいと思います。
| 受動喫煙防止対策助成金の注意点
大きな注意点は3つあります。
1 厳格な運用
受動喫煙防止対策助成金は“補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律”の対象になっています。この法律の対象になっていると厳格な運用が求められます。多くの補助金や助成金はこの法律の対象になっていますので、他の補助金・助成金と同じだと思ってかまいません。助成金の交付要綱、交付要領、手引きなどをよく読んで、制度の内容を理解してから申請をしてください。
2 助成金の返還
嘘などの不正行為で助成金の交付を受けた場合、助成金の返還が求められることがあります。交付決定の内容や付けられた条件に違反した場合も同じです。場合によっては、5年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられることもあります。
3 助成金の予算
受動喫煙防止対策助成金は申請額が予算額に到達すると申請受付を締め切る予定になっています。受付は申し込み順ですので、検討されている方はお早めに申し込むことをおすすめします。
| 厚生労働省の支援事業
厚生労働省では職場の受動喫煙防止対策に取り組む事業者への支援を行っています。申請書類の書き方だけでなく、風速要件の満たし方などの内容についても助言をしてくれます。実績報告の時に必要になる測定機器の貸し出しもしているようです。相談や機器貸与の利用は全て無料です。必要な場合にはぜひご利用ください。
1 受動喫煙防止対策の技術的な相談
事業場の喫煙室の設置、浮遊粉塵や換気量の要件への対応などの技術的な内容は、我々のような素人には難しいです。厚生労働省では専門家による電話相談を行っています。必要に応じて実地指導もされるようです。
また、全国で受動喫煙防止対策の説明会を実施します。企業の研修や団体の説明会などに講師を派遣して受動喫煙防止対策の説明もしてもらえます。
助成金の対象企業以外であっても利用可能です。全ての職場が相談の対象になっています。
相談ダイヤル:050-3537-0777
事業委託先:一般社団法人 日本労働安全衛生コンサルタント会
2 喫煙室などの要件の確認、職場環境の実態把握
職場環境の実態把握などをするための支援として、デジタル粉塵系、風速計の無料貸出がなされています。必要に応じて測定方法の説明もしてくれるようです。
企業の研修や団体の説明会では、専門家が実演をしながら測定方法の説明がされます。展示用の機器も無料で貸し出されます。
この無料貸出も助成金の対象企業以外であっても利用可能です。
受付ダイヤル:03-3635-5111 FAX:050-3730-9375
事業委託先:柴田化学株式会社
| まとめ
1 予算額になると申請受付が終了!
2 厚生労働省で相談窓口を設置!
3 測定機器の無料貸出や測定方法の説明も!