新型コロナウイルスの蔓延で全国に緊急事態宣言が出されました。2020年5月31日までの延長も決まり、全国での自粛ムードは日ごとに強くなっているようです。不動産業界でも緊急事態宣言の影響が出ています。
今回は、不動産業界の影響について見てみたいと思います。
| 住宅販売数が大幅に減少
株式会社マーキュリーの調査では、2020年3月と4月の新築マンションの販売数を調べたようです。関東の1都3県だけのデータですが、大阪でも業者用の住宅販売・賃貸情報のデータベース(レインズ)の登録数が激減しています。
弊社の近隣地域だけを見ますと、平時は50~60件/日あった新規の販売情報が10件以下、少ない時には3件程度になることもあります。おおむね9割くらいは減っているようです。
関東1都3県はどうでしょうか。
2019年の3月と4月の新築マンション販売データは次のとおりです。
3月:4990件
4月:1674件
2019年でも3月に比べて4月は1/3程度になっています。
続いて2020年の3月と4月のデータです。4月のデータは1~20日までの集計です。
3月:2675件
4月:209件
桁を間違えているかと思いましたが、間違えていませんでした。1/10未満になっています。この減り方は大阪でも似たようなものですので、実感に合っています。
3月の供給数を比べると46%減、4月の供給数では87%減です。3月の時点ですでに新型コロナの影響が出ていたことが分かります。2020年4月7日の緊急事態宣言の発令で販売自粛が急激に加速したのではないでしょうか。
ゴールデンウイークは例年モデルルームでイベントを行ったりして、新築マンションを販売する業者にとっては山場です。今年は販売自粛によって5月の販売戸数も大幅に減少するのではないでしょうか。
| 近畿圏のマンション市場は?
近畿圏のマンション市場については、以前の記事“近畿の新築マンション販売数は激減!(2019年度)”でも見させてもらった(株)不動産経済研究所のデータを見てみたいと思います。
近畿圏全体では、2019年のマンション販売戸数は約1.8万戸で、2018年と比べると約14%減少しています。大阪の減少率は比較的穏やかで約7%の減でした。新型コロナの影響のなかった2019年3月4月の販売戸数は、次のとおりです。
3月:1449件
4月:852件
3月と4月を比べると約4割減少しています。2018年や2017年はそれほど大きな差はありませんので、2019年特有の現象です。関東でも2019年は6割以上減っていますから、全国的に同じような傾向なのかもしれません。
大阪での影響が関東の2/3程度だとすると、2020年は次のようになるかもしれません。アシュラの予想です。
3月:930件
4月:100件
大阪だけだと、3月は650件、4月は70件くらいでしょうか。5月のゴールデンウイークにも販売自粛が続いたでしょうから、5月も4月並みの件数になるかもしれませんね。
| まとめ
1 関東では新築マンション供給数が9割減!
2 4月の販売戸数の減少は2019年特有の現象!
3 大阪ではほとんどマンションが売れていないかも!