以前の記事“空き家を活用したい!”では空き家の利用意識について書きました。アキサポ空き家総研のアンケートでは、空き家の活用希望者は70%以上だそうです。
今回は、空き家になりがちな実家の不動産を相続する場合の意識調査について書きたい共います。
| 相続させたいけど相続したくない?
ランドマーク税理士法人が首都圏でアンケートをした意識調査について結果が公表されました。相続させる側は60代~で、相続する側は30代~50代です。回答数は1030あったそうです。
では、早速見てみましょう。
相続させる側が実家の不動産を子供に相続させたい割合は約60%でした。もっと多いかと思いましたが、子に不動産を相続させたい親は60%くらいなのですね。
逆に、不動産を相続させないということは存命中に売却をしてご自身は賃貸に入居するか売却金を資金にして老人ホームに入所する予定なのでしょうか。
相続する側では、実家の不動産を相続するつもりなのは約36%でした。親世代とはかなり数字が離れていますね。親の存命中に売却して預金を相続したいということなのでしょうか。
特に、30代の方では約54%もの人が相続についてまだ考えていないと回答しています。親御さんも50代か60代でまだまだお元気ですし、晩婚化の影響で相続まで考えられないということだと思います。
| 相続した家をどうする?
相続した不動産をどのように活用したいと思っているのでしょうか。
相続させる親世代では、約47%の人が子の住居として利用させるつもりのようです。子どもに任せるという人も約35%もいらっしゃいます。この2つで80%超ですから、多くの人は住居として使って欲しいけれども使い方は子に任せるということでしょうか。
相続をする子世代でもやはり自分の住居として利用したしたいと考えている人が約51%いらっしゃいます。親世代よりも高い割合ですね。売却を考えている人は約17%です。この2つで約69%ですから、7割近い人が自分で住むか住まないのならば売却をしたいと考えているようです。
収益物件にしたいと考えている人は約4%しかいませんでした。賃貸住宅が約9%、アパートなどへの建替えは約1%、更地後に貸し駐車場は約2%となっています。
親世代では収益物件として利用させたいと考える人はもっと少なく、合計で2%くらいしかいませんでした。賃貸住宅が約0.4%、アパートなどへの建替えは約1%、更地後に貸し駐車場は約1%でした。
相続した不動産を収益物件として活用することはほとんどの人が考えていないようですね。
| 相続での心配事は?
不動産だけでなく、預金や株券などの財産全般の相続についての心配事を尋ねるアンケート(3つまでの複数回答)では、相続税と答えた人が、相続する子世代で約41%、相続させる親世代で約19%になりました。
子が相続する場合の相続税は、相続人が1人の場合でも相続財産が3600万円まで支払わなくても大丈夫ですから、相続税を心配されている人の親御さんは資産家なのでしょうか。
その他では次のようになっています。
・兄弟姉妹間での分配(子世代:約37%、親世代約20%)
・家屋の資産価値(子世代:約23%、親世代約15%)
・家屋の維持管理費(子世代:約23%、親世代約14%)
・家屋のリフォーム代(子世代約14%、親世代約8%)
・固定資産税、都市計画税(子世代約41%、親世代約9%)
・遺品の整理(古瀬江代約12%、親世代約12%)
これらを見ますと、子世代は現金の支出が心配事として大きいようです。親世代は財産の分配と相続税が心配なようです。
相続についての心配事は、親子でしっかりと話をしておくことで安心感を得られることが多いです。子から親に相続の話はしにくいでしょうから、親から子にお話をしてみてはいかがでしょうか。このゴールデンウイークで帰省されているのなら、少し話してみてはいかがでしょうか。
| まとめ
1 不動産を相続させたい親は約60%!
2 相続不動産を活用したい人は約4%!
3 相続での心配事はやっぱり相続税!