2016年頃に民泊ブームが起こりました。急増する外国人観光客をお客さんとする宿が多かったように思います。その中で問題になったのは旅館業の許可を取得していない違法民泊の存在。
民泊新法が施行されてから1年以上が経ちましたが、今はどうなっているのでしょうか。
| 違法民泊が90%以上!?
観光都市として有名な京都市では違法民泊が問題になっていました。対策として、2015年の暮れに「民泊」対策プロジェクトチームを発足させて実態調査に乗り出していました。
2016年に調査結果が発表されましたが、旅館業の許可が確認できた宿は7%だけだったそうです。京都市内の宿泊施設は2,702件あり、そのうち所在地が特定できたのは1,260件(約47%)。旅館業の許可が確認できた宿は189件(約7%)だけです。無許可と思われる施設は1,847件(約68%)だそうですが、旅館業の許可が確認できなかった約93%の宿泊施設は違法な宿なのではないでしょうか。
京都市では民泊新法が施行されてからも調査をしています。2018年度では約1,400もの施設が営業中止・撤退をしています。主要な仲介サイトに掲載されていた4,729施設のうち、届出・許可が確認できた施設は2,685件(約57%)で、京都市が違法と判断した施設は330施設だけでした。違法と判断した施設については仲介サイトに削除要請をしたそうです。
民泊新法が施行されてからは、かなりの数の違法民泊が廃業していると思われます。
福岡市では、Airbnbに登録されている1,357施設のうち約1,300施設が旅館業法の営業許可を取っていなかったそうです。約95%が違法民泊だと思われます。
旅館業の許可の目的は、衛生面や安全面でのチェックが主です。違法民泊は衛生面や安全面で法律の規定を満たしていない可能性が高く、宿泊をするには危険な施設です。それ以外にも、騒音や見知らぬ外国人の徘徊など近隣住民とのトラブルが生じたりしています。
これほどに違法民泊が多くなった原因は行政のチェック不足だと思われますが、現状では解消されつつあります。
| 民泊施設は違法民泊ばかり?
民泊新法の施行と行政の取り締まり強化によって、民泊ブームはかなり下火になっているとも言われています。Airbnbの登録件数は全国で約6万件から1.5万件程度にまで減少したそうです。行政の指導で民泊仲介サイトでは違法民泊施設を掲載できなくなりましたから、表面上はかなり減っているように思われます。
ただ、中国系の民泊仲介サイトでは、大阪の場合、約7,000施設の登録数に対して、合法な民泊施設は約3,900施設しかありません。約45%もの施設が違法民泊ということになります。
民泊でよく利用されているのは戸建住宅とマンションですが、分譲マンションでは約95%もの管理組合が、合法違法を問わず民泊を全面禁止としたとの調査結果があります。民泊情報サイトも下火になっているようなので、今後は民泊の爆発的な増加はなさそうですね。
| まとめ
1 京都市では93%の宿泊施設が旅館業の許可なしで営業!
2 福岡市では約95%が違法民泊!
3 現在では京都市の違法民泊は10%未満!?