| 水道管はどれくらいもつの?
生活に欠かせない水道。都市部では配水場から地中の管を通って皆様の家まで水が運ばれます。しかし、水道が普及しだしたのは40年以上も昔のこと。水道管の法定耐用年数は40年とされていますが、昔のものはそれほど長い耐用年数はありませんでした。
水道管の耐用年数は素材によって変わります。40年ほど昔の昭和40年代頃までよく使われていたと言われる亜鉛めっき鋼管は耐用年数が15~20年だそうです。もうとっくに耐用年数を過ぎ去っています。
昭和40年代頃からは硬質塩化ビニルライニング鋼管と言われているものを使っていて、それでも耐用年数は20~25年のようです。こちらも耐用年数をとっくに超えていますね。
政府の発表する法定耐用年数は、硬質塩化ビニル管だろうがステンレス管だろうがすべて40年で設定されています。
水道管の耐用年数が20年でも40年でも、どれだけ長く計算しても40年を超えると交換しなければいけません。では、40年を超えた水道管がどれほどあるのでしょうか。
井戸や川の水を使っていた生活が水道によって大きく変わりました。特に大都市ではいち早く上水道の整備が進んでいました。大阪市もその中の一つです。大阪市ではなんと44.9%が40年を超えた水道管だそうです。大阪市の水道管の長さは約5231㎞。そのうちの44.9%が老朽化していますから、単純計算で約2350㎞が交換必要な水道管です。とてつもない長さですね。
| 管工事業者が不正
水道管を交換するのは管工事業者です。管工事は建設業の一つで、一般に工事をするには建設業許可が必要です。公共工事を請けようと思うとなおさらしっかりとした経営基盤のある会社でなければいけません。
そのような会社が受注する上水道工事で、工事にかかわったほぼすべての業者が不正に利益を得ていたというニュースが流れました。約400社だそうです。“工事にかかわった”ということですから下請け業者が多いのでしょうが、すごい数です。
この400社は3か月の指名停止処分を受けることになるそうです。指名停止処分は一定期間国や地方自治体の競争入札の参加資格を停止する措置です。つまり、400社が大阪市の発注する上水道工事の競争入札に参加できなくなります。
2350㎞も交換しないといけないのに、400社もの管工事業者が入札できないようになると、今後の工事の進捗に大きな影響を与えることになりそうです。
| まとめ
1 昔の水道管の耐用年数は20年!?
2 水道管の老朽化率が高い大阪市で400社もの不正が発覚!
3 不正に関与した業者は狭小入札への参加を禁止!?