登記簿の「何、コレ?」(体験編)

| 建物滅失登記の未登記

 

前回、登記簿の「何、コレ?」では、建物の登記簿には“家屋番号”が書かれていて、この“家屋番号”が“〇〇-○-2”になっていて旧建物が登記簿に記載されている場合には、建物滅失登記をしなければならないことを書きました。

ただ、古い建物だと“滅失証明書”などを取得できないことがありますが、“滅失証明書”などがなくても法務局の職員に旧建物が存在しないことを確認してもらうと建物滅失登記ができることも書きました。

詳しくは登記簿の「何、コレ?」をご覧ください。

 

 

| 体験談!

 

先日、北陸のとある町に物件の調査に出かけました。その物件の登記簿謄本を取得すると建物滅失登記がなされていないことが判明しました。売主さんは「そんなもん(建物)はない」とおっしゃいます。そこで、建物滅失登記をしていただくことになりました。

ところが、この物件、ややこしいことがもう一つ付いてきました。単に建物が2つ登記されているだけでなく、存在しない旧建物の所有者はすでに亡くなられており、売主さんはその相続人なのです。相続した建物はすでになく、売主さんは建物滅失登記をすることなく新しい家を建てたのです。しかも建物の相続人は5人もいます。しかもその相続人の1人は亡くなっています。このような場合には相続人全員の同意がなければ建物滅失登記ができないのでしょうか?

 

 

| 建物滅失登記に必要な書類

 

通常、建物滅失登記に必要な書類は、①申請書、②滅失証明書、③建物を取り壊した業者の印鑑証明書、④建物を取り壊した業者の登記簿謄本(会社の場合)、⑤申請人の印鑑証明書(法務局による)の5種類です。

建物の滅失証明書が手に入らない場合には、①申請書、②申請者の戸籍謄本、③申請者の住民票、④物件の地図の4種類が必要です。

滅失証明書が手に入らないだけでなく、申請人が建物所有者の法定相続人の場合。今回の事例の場面です。結論から言いますと、相続人全員の同意は必要ありません。ただし、相続人であることを証明しなければいけません。

このときに必要な書類は、①申請書、②被相続人(亡くなられた方)の除籍謄本、③申請者の戸籍謄本、④申請者の住民票、⑤物件の地図の5種類になります。これだけ揃えれば何とか建物滅失登記ができます。

②被相続人(亡くなられた方)の除籍謄本にはいくつかのポイントがあります。まず、被相続人の氏名と住所、申請者の氏名と住所が載っているものを用意すると無難です。そして、この書類は他の書類と同じく原本還付ができますが、その場合、通常の原本還付の方法とは異なります。通常はコピーを取って「原本と相違ありません。氏名 印」と書くのですが、除籍謄本の場合には“相続関係説明図”を添付して原本還付を請求します。簡単なものでよいのですが、一度法務局に相談されるのがベストです。

今回は、これらを売主さんに揃えてもらって申請していただきました。結果はまだわかりませんが、うまく滅失登記ができていることを祈ります。

 

 

| まとめ

 

1 家を建て替えたときは建物滅失登記を忘れずに!

2 建物滅失登記の未登記を体験しました!

3 建物滅失登記に必要な書類は4~5種類程度です!

4 建物滅失登記は簡単な登記です!ご自身でもできます!



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