| 行政書士の裁判外紛争解決手続(ADR)
ADRは“訴訟手続によらず民事上の紛争の解決をしようとする紛争の当事者のため、公正な第三者が関与して、その解決を図る手続”(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律第1条)です。何を言ってるのか分かりませんよね?要するに、“生活の中の揉め事を裁判せずに解決しましょう”という制度です。“和解”、“調停”、“仲裁”の3つがあります。
このADRの一部が行政書士に認められました。平成22年ごろから各都道府県に行政書士ADRセンターが活動を始めていますが、取り扱う分野はたった4つしかありません。
“民事上の紛争”というだけあって、ADRというのはものすごく範囲が広くて、民事上の紛争のすべてを扱えるのは弁護士会と司法書士会のみです。一部の分野の紛争を扱えるのは、社会保険労務士会(労働関係)、土地家屋調査士会(土地の境界)、不動産鑑定士協会連合会(不動産の価格)などがあります。
行政書士が扱う分野は、“外国人の職場環境等に関する紛争”、“自転車事故に関する紛争”、“愛護動物に関する紛争”、“敷金返還等に関する紛争”の4分野です。
| ADRって何をするの?
行政書士によるADRは、“調停”のみです。調停手続は、調停人が当事者双方の言い分をよく聞いてお互いに納得できる解決策を一緒に考えましょうという手続です。争うというよりも話し合う場と言ってもいいです。ですので、相手方が調停手続に参加しない場合は手続を進めることができません。
お互いに合意すると合意書が作られます。この合意書は一種の契約です。
| 行政書士がなる調停人
行政書士ADRセンターの調停人は、研修を受けた行政書士が選任されます。研修時間は130時間で1年がかりの研修です。忙しい行政書士は出席自体が難しいですね。
| まとめ
1 ADRは裁判を使わずに揉め事を解決する方法!
2 ADRにもいろいろあります!
3 行政書士によるADRは4分野!
4 調停人になるための研修は過酷!