| 入管法って?
入管法は、正しくは「出入国管理及び難民認定法」といいます。「入管法」は略称です。簡単にいいますと、日本に入国したり出国したりすることを管理する法律です。在留資格や在留期間などを定めています。実は外国人だけでなく、日本人の出国・帰国についても定められているんです!
ところで、不法滞在や外国人との偽装結婚などの事件をよく耳にされると思います。不法滞在は入管法違反で強制的に国外へ退去させられますが、外国人との偽装結婚は刑法の公正証書原本不実記載罪(こうせいしょうしょげんぽんふじつきさいざい)という罪になります。長い罪名ですね!この罪では、役所に嘘の申請書を提出して、役所で保管する文書に嘘の記載をさせたことが悪いことだとされています。もちろん有罪で長期の懲役刑などになれば強制的に国外へ退去させられます。こういうところが法律のややこしいところですね!
| 新しい罰則の追加
外国人との偽装結婚の例では、直接的に入管法に違反するわけではありません。罪を犯して長期の懲役刑になったから強制的に国外へ退去させられるのです。これを直接的に入管法違反にすることで徹底的に虚偽の申請を防ごうと、新たに罰則が追加されました。平成28年11月の改正です。
1 在留資格等不正取得罪(入管法70条1項2号の2)
第七十条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
二の二 偽りその他不正の手段により、上陸の許可等を受けて本邦に上陸し、又は第四章第二節の規定による許可を受けた者
この規定では、虚偽の申立てなどの不正な行為を故意に行えば罰せられます。在留資格の変更・更新、永住許可、在留資格の取得・取消などほぼすべての申請で、虚偽の申立てが刑罰の対象になります。
2 営利目的在留資格等不正取得助長罪(入管法74条の6)
第七十四条の六 営利の目的で第七十条第一項第一号若しくは第二号に規定する行為(以下「不法入国等」という。)又は同項第二号の二に規定する行為の実行を容易にした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
この規定では、在留資格の不正取得をお金儲けの目的で手伝うと罰せられます。
| 新規定での初の逮捕者!
入管手続は申請者本人が行うことができるのは当然です。本人以外にも、これから外国人を雇おうとする会社や特別な資格を持つ行政書士・弁護士も取次として入管手続をすることができます。
そして、ついに新規定で初の逮捕者が出ました。入管法の虚偽申請容疑で逮捕されたのは行政書士です。ある中国人の女性の在留期間の更新手続で、実際は飲食店で働いているのに手続きをした行政書士自身の事務所で働いていると虚偽の申請をした疑いがもたれています。日本経済新聞などで報じられました。平成29年6月の終わり頃です。
真偽のほどは分かりませんが、中国では実在していない人の証明書が発行されるとかされないとか…。当事務所でも、今後なお一層、事実の確認を徹底し、提出書類の内容の確認を徹底してまいります。
| まとめ
1 日本への出入国のルールを定めているのが入管法!
2 入管法に新たな罰則が追加されました!
3 新しい規定で初の逮捕者!
行政書士法人麻田事務所では、行政書士全員が出入国の事務を取り扱う資格を有しています。在留資格の更新や変更などで不安がございましたら、お気軽にお問い合わせください。なお、事実の確認等を徹底いたしますことをご了承ください。