| 会社員で給与所得のみの方!
給与所得の方は会社で年末調整の処理がなされたと思います。所得税を源泉徴収されていましたが、平成29年1月~12月の清算が終わりました。数万円が戻ってきた方は多いのではないでしょうか?
支払った所得税をさらに取り戻す方法があります。“医療費控除”です。
| 医療費控除で税金還付!
医療費控除は病院や薬局のレシートをまとめて提出することで税金が戻ってくることがあります。今までは、税務署へ書面を提出して確定申告をする場合にはレシートをすべて提出していました。また、e-Taxで確定申告をする場合にはレシートを転記した明細書を提出する必要がありました。
平成30年に行う確定申告ではレシートの提出は不要になり、レシートを転記した明細書を提出する方法のみになります。税務署へ書面を提出して確定申告をする場合でもレシートを提出する必要がなくなります。
| 医療費控除を受けるためには
給与所得のみの会社員の場合、医療費控除を受けるためには確定申告をする必要があります。一般的な会社員の場合、医療費控除に必要な資料は3つあります。
1 源泉徴収票
会社から受け取る源泉徴収票は確定申告に使いますので、大切に保管しておきましょう。
2 医療費の明細書
明細書は税務署でもらうことができます。国税庁のサイトからダウンロードすることもできます。平成29年1月~12月までの医療費の領収書(レシート)を探して集めておきましょう。生計を同一にする家族の医療費も併せて申告ができますので、まとめておきましょう。
医療費は病院だけでなく、薬局で購入した医薬品も対象になります。処方箋がなくてもかまいません。一般に市販されている風邪薬や頭痛薬、座薬などのレシートも忘れずに。
医療費の明細書の書き方ですが、(1)医療を受けた人ごと、(2)治療を受けた病院ごと・薬を購入した薬局ごとに記入します。
例えば、Aさんが甲病院で5回治療を受けて合計3万円を支払い、乙薬局で10回薬を買って合計2万円支払ったとし、同居のご家族のBさんが丙病院に入院し合計15万円を支払い、丁薬局で3回薬を買って合計1万円を支払ったとします。このときは、“Aさん甲病院3万円”、“Aさん乙薬局2万円”、“Bさん丙病院15万円”、“Bさん丁薬局で1万円”とまとめます。
つまり、人別、かつ場所別にまとめて転記することになります。e-Taxではエクセルシートに転記して確定申告書に添付します。
もし、健康保険組合が発行する通知書がありましたら、“1.医療費通知に関する事項”に数字を転記するだけですみます。ない場合には、人別かつ場所別の金額を“2.医療費(上記1以外)の明細”に記入します。
医療費控除では集計作業が最も大変です。
3 確定申告書
確定申告書の用紙は税務署でもらうことができます。国税庁のサイトからダウンロードすることもできます。源泉徴収票や医療費の明細書に記入した金額を確定申告書に転記してください。
1源泉徴収票、2医療費の明細書、3確定申告書がそろったら税務署に書類一式を提出してください。郵送でも受け付けています。マイナンバーカードなどの電子証明書とカードリーダ、パソコンをお持ちの方はe-Taxが便利で楽です。
給与所得の方の平成29年分の医療費控除申請時期は平成30年1月1日~平成34年12月31日です。5年間申請できます。確定申告は平成30年2月15日~3月15日です。期間の異なりますのでご注意ください。
| 医療費控除の注意点
医療費控除は、医療費に年間10万円を超える金額を支出している場合に10万円を超える部分が対象になります。所得が20万円未満の場合は所得金額の5%が対象になります。最高200万円までです。
ただし、保険金などは差し引かれます。例えば健康保険から支給された一時金、損害賠償金、保険会社から支払われた医療保険金や入院給付金などは医療費から差し引かれます。
出産された場合には市町村から補助金が支払われることがありますが、この補助金が医療費の補填として支払われる場合には医療費から差し引かれますので、市町村にご確認ください。
還付される所得税の金額は、医療費控除額×所得税率です。所得税率は課税所得195万円以下は5%、330万円までが10%、695万円までが20%、900万円までが23%・・・となっています。
例えば、課税所得300万円の人が出産費用を含む年間の医療費が70万円、出産育児一時金42万円を受け取った場合の目安になる還付金額は、(70万円-42万円-10万円)×10%=1万8千円です。あくまで目安ですので、詳しくは地域の税務署へご確認ください。
| まどめ
1 給与所得者の医療費控除は意外に簡単!
2 入院、出産された方は医療費控除の申請を!
3 保険金など差し引かれる金額にはご注意を!