仲介手数料、家賃1か月分は違法!?

賃貸住宅を借りるときには、当月家賃・共益費、前払家賃・共益費、保証会社保証料、火災保険保険料、仲介手数料などを支払います。これらは初期費用として不動産屋から明細を提示されると思います。おおよそ家賃の4か月分くらいでしょうか。

2020年1月14日に東京高等裁判所で出された判決では、仲介手数料として家賃1か月分を受け取った仲介業者に返金を命じる判決が出ました。不動産屋が仲介手数料として家賃1か月分を受け取るのは違法なのでしょうか。 “仲介手数料、家賃1か月分は違法!?” の続きを読む



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仲介手数料の消費税ってどうなるの?

| 消費税って不動産売買でもかかるの?

 

お金のやり取りがあると納めないといけないのが消費税。今は8%ですが、2019年10月1日から10%に増税することになっています。

不動産の取引でも消費税はかかります。ただし、土地の売買には消費税がかかりません。土地は“消費”するものではないからだと言われています。

不動産売買で消費税がかかるものは、建物、仲介手数料、融資事務手数料、司法書士報酬などがあります。中古の建物の場合は売主が個人であれば非課税です。

不動産の売買を不動産屋に仲介してもらうと期間が3か月や6か月かかったりして長くなりがちです。その間に2019年10月1日が来てしまったら仲介手数料の消費税は8%のままなのでしょうか、それとも10%になってしまうのでしょうか。

 

 

| 不動産仲介契約での消費税率はこうなる!

 

不動産売買などの仲介契約は消費税改正法の経過措置の適用対象になります。言葉で説明するとややこしくなりますが、次のようになっています。

1 2019年10月1日までに、仲介契約、売買契約、引渡が終了した場合

当然ながら税率は8%です。

2 2019年4月1日までに仲介契約、10月1日までに売買契約、10月1日以降に引渡しの場合

この場合も税率は8%です。ポイントは仲介契約の時期で、2019年4月1日以前でなければいけません。

3 2019年4月1日以降10月1日までに仲介契約、売買契約をし、10月1日以降に引渡の場合

売買契約のときに支払う仲介手数料の消費税は8%で、引渡のときに支払う仲介手数料の消費税は10%になります。

4 2019年4月1日以降10月1日までに仲介契約をし、10月1日以降に売買契約、引渡の場合

税率は10%です。

仲介手数料の消費税率

 

例外もいくつかありますが、注意したいのは3番の事例ですね。仲介手数料を支払う時期が2019年10月1日より前か以後かで、仲介手数料に係る消費税の税率が変わってきます。消費税を余分に取られないようにご注意ください。

 

 

| まとめ

 

1 不動産取引でも消費税がかかります!

2 仲介手数料は支払時期によって税率が変わります!

3 2019年4月1日以降に仲介契約をした場合には注意!



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不動産屋の違法な超過報酬!

| 仲介手数料は上限あり!

 

読まれている方には釈迦に説法ですし、このブログで何度も書いていることですが、不動産屋の受け取る仲介手数料には上限があります。

参照

仲介手数料無料のワケ!(売買編)

不動産売却時の注意点(費用編)

悪徳不動産屋の手口!

売買金額によって分かれていますが、400万円超の場合“物件価格の3%+6万円+消費税”です。たとえば、3000万円の土地・建物を購入する場合、3000万円×3%+6万円+消費税8%=1,036,800円です。媒介業務でこの金額を超えて受領すると超過報酬として違法行為になります。

媒介業務の内容は、土地・建物を購入するときを例にすると、主に①物件紹介、②媒介契約の締結と書面の交付、③売買の相手方との交渉、④重要事項の説明、⑤売買契約締結と書面の交付、⑥決済、引渡があります。

 

 

| 不動産屋の超過報酬

 

不動産屋のよくある違法行為は、売り手との減額交渉をした報酬として媒介の仲介手数料以外のお金に受け取ることです。これは本当に多くて、毎年のように日本のどこかの不動産屋が行政処分を受けています。違法行為とされていますので注意してくださいね。

では、媒介業務以外の業務にはどのようなものがあるのでしょうか?

媒介業務に関連する業務として、税務相談、法律相談、登記、住宅性能評価などなどがありますが、これらは他の専門家と協働しないといけないことが多くあります。

宅建業者の役割としては、これらに積極的に関与して買主さんや売主さんに分かりやすく説明をし適切な助言をすることが求められています。

このような業務は媒介業務とは別個の業務ですから不動産屋は仲介手数料とは別に請求をすることができます。たとえば、住宅ローンの手続は金融機関と協働する業務で仲介手数料とは別に請求されることが多いでしょう。これは超過報酬ではありません。

ここで問題になるのは不動産コンサルティング業務です。不動産コンサルティング業務の典型例は土地の有効利用の事業立案などです。単なる物件調査や契約の交渉などは媒介業務の範囲内とされます。具体的には、借地権付建物の売却の場合、底地権者や抵当権者との交渉は契約成立のための不可欠な交渉で媒介業務の範囲内とされています。

また、法的な争いに介入して権利を守ろうとする交渉は弁護士法72条違反とされます(東京地判平成25・9・25)。

不動産コンサルティング業務は、その業務内容が難しいだけでなく、業務範囲の適法性も難しいところです。

 

 

| 不動産屋の悩みどころ

 

仲介手数料の上限額が物件価格で決まってくることは、実は不動産屋の悩みを作り出しています。

たとえば、フィクションですが、古い長屋の一室を売却するときを考えてみましょう。築50年ほどの長屋で土地は狭く、建物自体もボロボロ、室内もボロボロの物件。売却価格が50万円だったとします。

この場合の仲介手数料は、50万円×5%+消費税8%=27,000円(ただし、調査費用を含めると18万円まで受領可能です)。たったこれだけの手数料で、物件調査や買主との交渉、重要事項説明書の作成と重要事項説明、売買契約書作成、登記等の専門家の手配、決済・引渡まですべてをやらなければいけません。少し遠方の物件だと物件の調査費用だけで赤字になります。

不動産屋は通常このような媒介の仕事を受けませんので、売主さんは自分で買主さんを見つけて個人売買をすることになります。これは売主さんの利益になりません。

不動産屋としては、売主さんのために損を覚悟で受けるか、売却を含めた土地活用についてコンサルティング契約を締結するか、自社で買い受けてリフォームなどをしてから転売するか、やっぱり受けないか…。今後のビジョンを明確して取り組まないといけない事案です。悩ましいです。

 

 

| まとめ

 

1 媒介業務の内容と仲介手数料に上限あり!

2 媒介業務以外の業務範囲と超過報酬に注意!

3 極端に廉価の物件は媒介しにくい!



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