行政書士には外国人の入国・滞在を手助けする業務があります。外国人や代理人の代わりに入管当局へ出頭したり書類を作成して提出したりします。この業務は入管当局に登録された弁護士か行政書士しか行うことができません。
ただ、行政書士の場合、入管当局に登録されるためには業界内の研修会に参加をして試験に合格しなければいけません。
そこで、入管業務を行うための申請取次研修会について書きたいと思います。内部事情もちらほら出てくるかも…。今回は第18回です。
| 上陸拒否の条件
外国人が日本に入国するときには上陸許可基準を満たしたうえで在留資格がなければいけません。
これらを満たしたとしても、上陸拒否事由に該当すれば当然に日本に上陸できません。では、上陸拒否事由にはどのようなものがあるのでしょうか。
今回は上陸拒否事由の内、主なものを7つピックアップしたいと思います。すべてを見たい方は入管法の第5条をご覧ください。
1 1年以上の懲役・禁固の刑に処せられたことがある者(除く、政治犯罪)
2 麻薬、大麻、あへん、覚せい剤などの取り締まりに関する法律に違反して刑に処せられたことがある者
3 麻薬などの原料や吸引器具を不法に所持する者
4 売春、あっせん、勧誘、場所の提供など売春に直接関係する業務に従事したことがある者
5 人身取引、教唆、ほう助をした者
6 銃刀法に定める鉄砲・刀剣類、火薬類取締法に定める火薬類を不法に所持する者
7 次の期間を経過していない者
(1)上の3や5に該当して上陸を拒否されてから1年を経過していない者
(2)過去に日本から退去強制された者のうち、それ以前に退去強制や出国命令により日本を出国したことがない者で、退去の日から5年を経過していない者
(3)過去に日本から退去強制された者(上の(2)を除く)で、退去の日から10年を経過していない者
(4)過去に出国命令を受けて日本を出国した者で、出国から1年を経過していない者
いくつか挙げましたが、1年以上の懲役・禁固の判決を受けていれば無期限の上陸拒否事由になりますし、過去に退去強制されていれば5年または10年の上陸拒否事由になります。
また、たとえ1年・5年・10年の期間が経過していたとしても必ず上陸が許されるわけではありません。
上陸拒否事由に該当してしまうと、次の上陸もかなり難しくなると思われます。
退去強制の条件については次回以降に書きたいと思います。
| まとめ
1 1年以上の懲役・禁固の判決を受けると無期限の上陸拒否事由!
2 麻薬、売春、人身取引関係も無期限の上陸拒否事由!
3 期間制限があっても必ず上陸が許可されるわけではない!