親族が亡くなったときには相続が発生します。近年は家族葬が増えていますので、お葬式の後に亡くなったという連絡をもらうことも増えてきていると思います。しかし、親御さんやご兄弟が亡くなったときには通夜や葬儀の段取りを仕切らなければいけないことがあります。
今回も前回に引き続き親族が亡くなったときの相続手続について書きたいと思います。
| 多くの方に必要な手続
前回の記事“相続手続って何をすればいいの? ~多くの人が必要な手続編1~”の続きです。多くの方に必要だと思われる手続について書きたいと思います。必ず行うわけではありません。
1 世帯主変更届
2 国民健康保険の喪失や変更申請
3 介護保険資格喪失申請
4 後期高齢者資格喪失申請
5 印鑑カードの廃棄
6 年金受給者死亡届
7 運転免許の死亡取消届
8 電気・ガス・水道・NHKの変更、契約解除
9 葬祭費の請求
10 埋葬(費)料の請求
11 火災補助金交付申請
12 死亡一時金の請求
13 遺族厚生年金の請求
14 遺族共済年金の請求
15 未支給年金の請求
16 高額療養費の請求
1の世帯主変更届から16の高額療養費の請求までは前回に書きましたので、今回は17から書いていきます。保険会社や住宅管理会社に関する手続きが主です。
17 死亡・傷害保険金の請求
亡くなられた方が生命保険(病気)や傷害保険(怪我)に加入していた場合に請求します。生命保険会社・傷害保険会社によって必要な書類や手続きが異なりますので、詳しくは加入されていた生命保険会社・窓外保険会社にお問い合わせください。原則として亡くなられてから3年以内に請求しなければいけません。
18 (賃貸住宅の場合)解約手続、敷金返還請求
亡くなられた方が賃貸住宅に住んでおられた場合には、管理会社か大家さんに亡くなられてたことを伝えて解約手続きをします。多くの賃貸借契約では解約の場合は1か月前に通知することになっています。ですので、すぐに解約手続をしたとしても1か月の猶予があります。その間に遺品整理をしてください。引渡日は管理会社の人か大家さんに室内を見てもらって敷金の返還請求の手続をします。
19 (施設入居の場合)預け金等返還請求
亡くなられた方が施設に入居されていた場合、事前に施設へ預けていた預け金の返還請求をします。施設の職員に尋ねると手続の方法を教えてもらえます。
20 銀行口座の解約
亡くなられた方が銀行口座を持っていた場合に、口座の解約の手続きをします。通常、亡くなられたことを伝えると口座が凍結されます。凍結された口座を解約するには、法定相続人であることを書面で証明しなければいけません。法務局の法定相続情報証明制度を使って法定相続情報一覧図を受け取っていれば、遺産分割協議書や戸籍の謄本がなくても解約手続きができる場合があります。金融機関にお問い合わせください。
21 クレジットカードの解約
亡くなられた方がクレジットカードを持っていた場合に、クレジットカード会社へ連絡をしてクレジットカード契約を解約します。場合によっては付帯保険がついていることがあって、保険金の請求ができることもあります。クレジットカード会社へお問い合わせください。
長くなりましたが、以上で“多くの人が必要な手続”を終わります。次回はやっておいた方がいい手続編を書きたいと思います。
| まとめ
1 保険会社への請求手続は会社によって異なる!
2 賃貸住宅の場合は解約と敷金返還請求を!
3 銀行口座の解約は法定相続情報証明制度の利用が便利!