行政書士は書類作成や手続代理、それらの相談業務を行うことが主な仕事です。争いのない事案を取り扱いますので、基本的に依頼者さんのお話は真実だとして聞いています。疑問点があれば確認する程度だと思います。
そんな行政書士でも詐欺には騙されるようです。今回はそんなお話です。
| 行政書士はどんな人?
行政書士は、書類作成、手続代理、相談業務を主に行っています。
書類作成には、飲食業や建設業などの官公署への許認可申請書類の作成、契約書などの権利義務や事実証明に関する書類の作成などがあります。特定行政書士になれば、行政への不服申立手続について官公署に提出する書類の作成を行うことができます。また、申請取次行政書士になれば、外国人関係の入管に関する書類を作成することができます。
手続代理では、許認可の申請を依頼者に代理して行ったり、支援金の申請を代理して行ったり、聴聞や弁明の機会の付与などの手続の代理を行ったりします。特定行政書士になれば、不服申立手続の代理を行うことができます。また、申請取次行政書士になれば、外国人関係の書類の提出を代理することができます。
相談業務では、会社設立や許認可申請、契約書の作成などについての相談に応じることができます。争いのない範囲であれば、行政書士は身近に法律的な相談ができる相手になります。
| 騙された行政書士
ここで騙されたと言っても依頼者に騙されたのではありません。パソコンに表示されたメッセージに騙されてしまったようです。
愛知県の行政書士の男性は、パソコンに“東京マイクロソフトエンジニア”、“直ちに電話してください”などとメッセージが表示されたため、表示されている電話番号に電話を掛けました。
通話相手が“直すためには電子マネーが必要”と言ったため、コンビニエンスストアで26万円分の電子マネーを購入し、電話でID番号を教えたそうです。
詐欺事件だと分かったきっかけは地元の新聞の記事です。詐欺事件の記事を読んで被害に遭ったかもしれないと思い、警察に届け出たとのことです。パソコンにメッセージが表示されてから11日後のことでした。
この行政書士は70代と高齢の方ですので、おそらくベテランの行政書士でしょう。それでもパソコンに表示されたメッセージに騙されてしまいます。サイト利用料などの名目で多額の支払を請求する詐欺はかなり以前からあります。ワンクリック詐欺もサイト利用料などを請求する手口の1つです。
| パソコンのシステム警告の対処方法
よくあるシステム警告の例として次のようなものがあります。
1 システムはウイルスに感染しています
2 Windowsシステムが破損しています
3 すぐに◯◯してください
4 Windowsセキュリティシステムが破損しています
このような表示があった場合には、“OK”ボタンや“×”ボタンを押さずにタスクマネージャーから閉じるようにしてください。無視をするのが一番です。
タスクマネージャーから閉じる方法は次の手順です。
1 日時表示などがあるタスクバー(通常は画面の一番下)を右クリック
2 タスクマネージャー(K)をクリック
3 開いていたブラウザー(インターネットエクスプローラー、マイクロソフトエッジ、グーグルクロムなど)を探して左クリックし、“タスクの終了をクリックします。
4 ブラウザーを開きなおします。
5 “セッションの復元”を押さずに、復元メッセージの“×”をクリックして閉じます。
これで同じようなシステム警告がでなければOKです。気になる方はパソコンを再起動してください。
みなさんは業務やプライベートでパソコンを日常的に使われるかと思います。不安感をあおるメッセージで詐欺の被害に遭わないようにお気を付けください。
| まとめ
1 行政書士は書類作成、代理、相談のプロ!
2 行政書士でも偽メッセージに騙される!
3 パソコンのシステム警告は無視が一番!